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思惑の落し穴

恋はすべてどこまでも片思いだ。

装苑 201602

中島裕翔(俳優)菅田将暉(俳優)

 Hey! Say! JUMPとして目覚ましい活躍の一方で、俳優として大きく歩を進めた中島裕翔。片や、着実にキャリアを積み、次世代を担う演技派俳優としてその実力をしっかりと蓄えてきた菅田将暉。映画『ピンクとグレー』で出会った、22歳の二人の魅力に触れる。

 

映画『ピンクとグレー』で出会った22歳の俳優二人、胸の内。

 2012年、加藤シゲアキの小説『ピンクとグレー』が発売と同時に大きな話題をさらったのは、単に現役のトップアイドルの初小説ということではなく、当事者じゃないと描けない感情の変化が緻密に記録されていたことだ。それは、普通の高校生が芸能界に足を踏み入れたことによって知る、選ばれし者と、どうあがいてもスポットライトを浴びられない者の差であり、光と影───。

 映画『ピンクとグレー』でこの光と影を表現するのが中島裕翔と菅田将暉だ。劇中の白木蓮吾と河田大貴の歩みと重なり合うように、10代から芸能界を駆け抜けてきた中島と菅田。二人の目には、『ピンクとグレー』の世界はどう見えていたのだろう?


中島 この映画って親友とはいえ、男同士の友情の裏にひそむ嫉妬と焦燥感をすごく炙り出す話だよね。

菅田 そう思う。男同士って少なからず競争心はある。加えて、芸能界は特に、自分の客観的な物差しを持つことは難しい。なぜなら、ファンの人や視聴者の人や観客の目にどう映っているかということの方を周囲から重く見られることがあるから。だから、焦燥感を抱きやすい場所とも言える。裕翔はそのあたりの感覚は大きいんじゃない?かなり早く、芸能界に入ったよね?

中島 10歳のときから活動しているけど、ジャニーズJr.の頃は右も左もよくわからないから、自分がどう見られているかなんて全く意識していなかった。むしろ、今が一番、周りから認められたいという気持ちが強いかもしれない。『ピンクとグレー』は初めての映画でありながら、さらに主演で、自分の実力以上に急激に大きくなることを求められた役。期待に応えるように頑張るしかないんだけど、その意味では、映画の前半、蓮吾が急激に売れていく状況と重なり合っている気がした。将暉は自分のパブリックイメージって気になる?

菅田 あんまり。芸能界のキラキラしたところに憧れていたわけじゃないから。タイミングよく、演じる役柄の印象もその都度、ガラッと変わってきたから、はっきりしたパブリックイメージがそんなにない気がする。でも、大貴の焦りはわかる。自分の小さい部分にこだわって、大きく見せようとあがいているところとか。まあ、男なら誰にでも覚えがあると思う。でも、映画の中で幼なじみのサリーがそうであるように、ちゃんと見ていてくれる人がいると救われるよね。

中島 そうだね。努力をちゃんと見てくれる人と、表面の輝きだけを見ている人との違いについては考えることがある。この映画ってエンターテインメントの裏と表を描いているじゃない?ジャニーズの先輩に食事に誘われてじっくり話をすると、ステージであれだけ輝いている人にも当然ながらプライベートの顔があって、悩みもある。外では絶対に見せないその顔を見て、「この先輩は本当に頑張っているんだな」と表の顔に惚れ直すことがある。

菅田 その人の放つ輝きが眩いほど、その人がいなくなった後の残照に心がざわめくことってあるよね。例えばカート・コバーンとか。結局、この映画の語るピンクって何だろう?

中島 僕にとってはアイドルをやっている時間がピンクで、オフのときの誰にも見せない時間帯がグレーかな。将暉は?

菅田 動物的な衝動や瞬間がピンクで、停止して考えている時間がグレーかもしれない。

中島 見た人の解釈を聞きたくなる作品になったので、本当に多くの人に見て欲しいな。

  

装苑 201602