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思惑の落し穴

恋はすべてどこまでも片思いだ。

僕が挑戦した俳優Days!

初の主演映画は、先輩の原作!?

映画初出演で初主演となりましたが、決まった時の気持ちは?

    ドラマでやっと主演をやらせていただけたと喜んでいたところだったので「ええっ!もう映画の主演やっちゃうんですか?」と、すごく嬉しい反面不安もありました。ゆくゆくはやってみたい気持ちはあったんですけど、全然違う土俵というイメージがあったので、もうその時がやってきてしまったのかと。

加藤さん原作の作品を演じるということについて、気持ちの面での違いはありましたか?

    違いました。原作がシゲアキ君の小説家デビュー作ということが、ますます"どうしよう……"と不安になりました。小説や漫画が映画になるのは珍しいわけじゃないけれど、今回に限っては正直イヤで(苦笑)。というのは、作品の持つ良さを自分が主演することでぶち壊してしまったらどうしよう……というプレッシャーですね。主演というのももちろんびっくりしたけれど、その作品が先輩の作品だというのはもっとびっくりで。一方で"やってやるぞ!"という気持ちもあって、すごく複雑でした。

確かに、プレッシャーですよね。原作はもともと読んでいたんでしょうか。

    はい、読んでいたので、なおさらどうしよう……と(苦笑)。

行定監督とも役について話し合いをしましたか?

    しました。一番きつかったのは、撮影2日目にいきなり泣きの芝居があったことです。ストーリーとしては後半に用意されたシーンなのに、それが2日目に入っていて"もう、これを演じるのか"って(苦笑)。自分の身近の人を亡くした経験が僕にはまだないので、それがどういうことなのか、どういう気持ちなのか、すごく難しかった。どういう気持ちで死に向かっていっているのか、蓮吾に対する河田の嫉妬にとか、行定監督に聞きながら作っていきました。

役作りはいかがでしたか?

    この映画は芸能界をテーマにしている作品で、僕自身もその世界を知っているからこそ、どこまでリアルな部分を出していいのか、というのはありました。将暉とかと「どこまでリアルにやる?」「リアルにやるとそれはそれでけっこう恐いよね」って話をしたり。でも、小説で描かれていますからね(笑)。

これまでの中島さんの"好青年"のイメージをガラリと変えてくれる役柄というわけですね。

    そうですね。正直、ファンの方がどう受け止めてくれるのか恐くもありますが、今までやったことのない役はすごく楽しかったです。まだ完成した作品を観ていないので、どこまで演じきれたのかは分からないけれど、他のキャストの方の力もあって"いや~な"感じ、ダークな感じを出しやすい現場だったことにも感謝しています。

泥臭い感情と向き合えたことはいい経験になりましたか。

    はい。結局のところ、お芝居は自分が経験したことが糧になってくる部分もあって。技だけで表現するのか、経験したことを表現するのか、人によって違いはあると思いますけど、自分の場合はまだ技を持っていないので、観てもらえる人に少しでも役に共感してもらえるように経験を積んでいきたい。さすがに映画のような経験はしていなくても、こういう時だったらどうするのか考えて、たとえば自分を見失って狂っていくシーンは、自分が一番うかれているような気分を模索しながらそれを大きく膨らませていきました。

共演者についてはいかがですか?

    菅田将暉さんは共演する前に彼の主演作『共喰い』を観たんです。自分と年齢は1つしか変わらないのに「何なんだ、この人は!」っていうのが感想でした。「どうやってここまでたどり着いたの?」って聞きたいぐらいの凄さがあって、本当に芝居が好きなんだろうな、というのが伝わってきた。なので、そんな若手の怪物が芝居相手でどうしようかと(苦笑)。でも、本当に刺激をもらいました。将暉は同じ芝居をしないんです。テイクごとにほんの少し芝居を変えるんです。行定監督が言うには、将暉は最初のテイクで決めてくるタイプで、逆に僕はテイクを重ねていくほど良くなっていくタイプ。すれ違っていく2人なので「もう、大変だったよー!」って言われました(笑)。僕は咀嚼するまでに時間がかかるけど、将暉はここのシーンではこれがやりたい!って最初から作ってくる、仕掛けてくる。芝居は、安定感だけじゃなく彼のように仕掛けていくのも大切なんだなって刺激をもらいました。

行定監督は?

    ちょっと恐そうだな……ってイメージはありました(笑)。実際にお会いしてみたらぜんぜん恐くなくて、初めて会ったのは、森田剛くん主演の舞台を観に行ったとき。この映画と同じで行定監督と蓬莱竜太さん(脚本)がタッグを組んでいたこともあって観に行ったんです。そのときに「良い映画にしようね!」って話をしてくださって、すごく気さくな方だなぁと。でも、いざ撮影現場に入って監督の顔になるとやっぱりアーティスティックで、独特の存在感がありました。

この映画は成長していく若者の青春映画でもあります。中島さんにとっての青春とはなんですか。

    小さい頃からこの世界に入っていたので青春らしい青春を送ってきたかどうかは分からないですけど、学校の授業が終わって同級生のみんなにとっての部活が僕にとってはリハーサル室でのレッスンだった。そのなかで友だちもできていきましたし。高校生のときは同じ環境の人がいる学校だったので、それが刺激になりました。誰かがドラマに出ていたりすると色んな感情を抱いたり。そういう感情も含めて、あの時もっとああしておけば良かったな、今ならこうするのになって、ふり返るのが青春なのかなって。良い想い出も嫌な想い出もぜんぶひっくるめて"良かったな"って思える過去が青春だと思う。この映画の前半でギターを弾くシーンや学ランを着て自転車で通学するシーンがあるんですけど、そういうシーンを演じながら青春だなぁ、いいなぁって思いました。

今後、役者としてどう歩んでいきたいですか。

    その質問は……答えるのがすごく難しいですけど、ジャニーズっぽくない役者になりたいというのはあります。お芝居の仕事のときは、ジャニーズの中島裕翔ではなく、そういえば中島裕翔ってジャニーズだったんだ、というくらいになりたい。そこを目指すのはジャニーズの先輩たちを見ているからでもあって。特に岡田くんを見ているとそう思います。この人がジャニーズにいるんだって思うとすごく嬉しいし、自分もいつかはこういう人になりたいと励みになります。僕のベースはHey! Say! JUMPなので、お芝居の仕事のときはアイドルのイメージをどれだけ払拭できるかだと思うんです。役者さんと同じ土俵に立つにはやっぱり役者にならなきゃならない、そこに向かって一歩ずつ歩いていきたいです。

 

オリスタ 2015.10/26