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思惑の落し穴

恋はすべてどこまでも片思いだ。

アイドルだけでは生き残っていけない

『HOPE~期待ゼロの新入社員~』は、韓国で大ヒットした連続ドラマ『ミセン―未生―』のリメイクだそうですが、オファーが来たとき、どんなことを思いましたか?

リメイクの作品に出るのが初めてだったので、どういうふうになるのか気になりました。『ミセン―未生―』の面白さを尊重しつつも、日本ならではの個性が出ればいいですよね。総合商社が舞台なのですが、テーマとしてはすごく真面目。現代社会で起きているいろんな問題がリアルに描かれているので、緊張感がありつつ、このシーンはどうなるんだろうっていう楽しみもあります。こういうドラマこそが面白いんだっていう、スタッフさんの熱が伝わってくるんです。

中島さん演じる主人公の一ノ瀬歩は、囲碁のプロ棋士になる夢を絶たれて、コネで総合商社のインターンとして働き始めますよね。中島さんはこれまでもスーツを着た、いわゆるサラリーマンの役を演じていますが、今回はどの辺に興味を持ちましたか?

仕事をするうえで何を大切にするかってことですね。たとえば取引先と揉めてしまった場合、自分を守ることを優先するのか、それとも会社同士の関係を考えたうえでうまくやろうとするのかは、人によって違います。どの会社もそうだと思うのですが、そういう厳しい場所で生き残っていくのは大変だと思うし、取引先だけでなく、上司とうまくいかなかったり、仲間と溝ができてしまったり、人間関係のなかで起きる問題に共感しました。こんなにやったのに報われないって感じることもあるかもしれないけれど、腐らずに頑張っていれば、絶対に誰か見てくれるし、評価してくれる人が必ずいると思うんです。この主人公も「期待ゼロの新入社員」ですけど、大きな挫折から一歩ずつ立ち直って、ひたむきに頑張って、働くことの楽しさや仲間といることの大切さを学んでいくんです。

本当に最初は「期待ゼロ」で、見ている側がつらくなるほどですよね。

そうですよねえ。亡くなったお父さんのボロボロのスーツを着てる設定なんですけど、僕も精神的に結構来ますね、あれは。「おはようございます!」ってボロボロのスーツで現場に入っていくわけですから(笑)。でも形から入るというか、衣装に気持ちの部分を助けてもらえるところもあるので、そういう意味ではありがたいですけどね。

主人公と似ていると思うところはありますか。

「また次に失敗することが怖かったんだ」っていうモノローグがあるんですけど、何かにチャレンジすることは怖いし、失敗してしまうのはもっと怖い。僕は「周りにどう見られているんだろう」とか、「誰かと比べられているんだろうな」って体面を気にしてしまうことが多いので、そこが似ているかもしれません。

やはりお仕事柄、気になってしまうのでしょうか。

そうなんでしょうね。お芝居のときも、監督のイメージとあまりにずれていたら軌道修正していただけるんですけど、「こいつ、なんでわかんないんだろうって思われていないかな」とか、いろいろ深読みしちゃうんですよ。そういうところはもともとあるんですけど、前より周りが見えるようになって、より強くなってきた気がします。似ているといえば、一ノ瀬は勝手に商社に入れられちゃうんですけど、僕もジャニーズに勝手に入れられたんです(笑)。知らないうちに親が履歴書を送っていて、「あんた今日、ここに行ってきなさい!」って言われて。そしたら男の子がたくさんいて、「なにここ?」って感じでした(笑)。

でもこの世界に入るのは、嫌ではなかった?

あのとき勝手に入れてくれなかったら、今の自分はたぶんいなかったと思いますしね。物語だけじゃなく、現実の世の中も何が正解で何が不正解かなんてわからないから、その人が今、幸せだったらいいんじゃないかなって思うんですよね。

プロ棋士になることだけを目指してきた一ノ瀬は、22歳にして大きな挫折をしてしまいますが、中島さん自身はこれまで挫折を味わったことはありますか?

挫折とまではいかないけど、悩んだ時期はあります。高校では芸能コースに入っていたので、僕と同じような仕事をしている人もいたし、クラスメートにメンバーがいたので、いろいろ考えちゃったりして……。1年生のときは皆勤賞をとったので(笑)。

芸能活動という意味では、それはちょっと複雑ですよね。

複雑でしたね。でも今思えば、ちゃんと学校に通わせてくれていたんだなっていう事務所への感謝の気持ちもあります。だけど、その最中は何もやる気がなくなってしまったりもして……。

どうやって乗り越えたのでしょう。

時間、ですかね。あとはメンバーのなかでのポジションが見つかったというか、そのときは自分的にもかなり深刻でしたが、悩むことも大事ですよね。

ちなみにご自身では、どういうポジションだと認識しているのですか?

自分が大事なことをしゃべったりするのは苦手なので、ほかの人をサポートするような役回りでいたいなとは思ってます。バラエティだったら、ツッコんだりして。ジャニーズでは高身長なほうなので、立ち位置的にも端に追いやられることが多いですし(笑)。

もっと前に出たいと思ったりはしないんですか?

どこが「前」なのかは、自分が決めることだから。もちろん知名度はこの世界につきものだけど、それだけにこだわってしまったらいやらしいというか、気持ち悪さを感じると思うんですよね。

アイドル以外に役者としての顔ができたことについては、どんなふうに思っていますか。

アイドルは特に、それひとつだけでは生き残っていけないんですよね。実際、いろんなことをやっている人がたくさんいるじゃないですか。たとえばジャニーズWESTはコンサートでコントなんかもやるし、櫻井くんはキャスターの道を切り開いたし、シゲくんは小説家としても活躍している。そういうのを見ると、すごくかっこいいんですよね。

アイドル的なイメージを裏切るような役は、むしろ歓迎ですか?

そうですね。脇役をやりたいんです。こうやって主役を張らせていただくのは、とんでもなくありがたいことなんですけど。主役も脇役もできる役者になれたらいいですね。

俳優のお仕事が多くなって、アイドルとのバランスに悩むことはありませんか?

一時期、本当の僕はどれなんだろうって思ったことはあります。それこそ、かっこつけてる自分がいたり、アイドル誌でニッコニコでポーズをとっている自分もいたりして(笑)。『ピンクとグレー』でご一緒させてもらった行定監督に、「常に演じてるよね」と言われて、無意識だったのでちょっと怖かったけど、もしかしたらそうなのかもしれないって思ったんです。だけど役者一筋でやられている方と変わらないスタンスで、お芝居をしたいとは強く思います。

そういう方たちのなかに入っていくのは、気後れするものですか?

申し訳ないっていう気持ちはあります。お邪魔しているという意識がありながら、それでも戦って成果を残さなければいけないので、複雑ですよね。

5年後、こうなっていたいというイメージはありますか。

舞台とかにもチャレンジしたいです。なんかもっと怒られたいというか……。

怒られたい!?

僕らの世代って、環境的に上の世代に対する憧れがあるんです。「昔はもっと厳しかったんだよ」などと言われますけど、たしかに京都の太秦とかに行っても、今は職人のみなさんもすごく優しいですし。理不尽な厳しさのなかで揉まれてみたいって思ったりもするんですよね。

逆境に強いタイプなんですか?

いや、全然強くないです(笑)。すぐめげるし、すぐ自分を甘やかしちゃうので、だからこそ打たれ強くなりたいんです。

 

 

パピルス vol.67

 

 

 

 

「しょうがないね」

※あくまで個人的見解です。




いろんな方がいろんなことを言っていて、そうだなぁと頷ける部分もあるし、いやそれは違うと首を横に振る部分もある。人が違えば解釈の仕方がこんなにも違うんだなぁと今回改めて実感しました。
わざわざ触れることはないのですが、気持ちの踏ん切りをつける為に敢えて書き出してみようと思います。

アイドルという職業について考えを巡らせたことが過去に何度かあります。求めることが人それぞれ違う。偶像化している人もいれば現実味を求める人もいて、かと思えば漫画の中のようなファンタジーさを求めてみたり。
そんなアイドルにとって切っても切り離せないのが恋愛です。肯定派、否定派と色々に分かれるかと思います。捉え方が人によって違うわけですから当たり前ですね。私も未だに自分がどの括りに入るのか分かりませんが、こんな文章を書いている時点で肯定はできてないですね。
熱愛やスキャンダルが苦手でして、今回の騒動を知った時も正直ざわざわしていました。勝手ながら私の中では、少し売れ出したモデル上がりの女優さんや、猛プッシュされているタレントさんだったり、その人達よりは良いお相手だとは思います。肯定はしていません。さすがに年齢差には驚きましたが裕翔くんが昔からずっと年上の女性が好きなことは知っていましたから、ああ、そんな上まで許容範囲だったのねー…と、思う程度でした。
随分大きく報道されていましたが、今注目されている女優さんの初スキャンダルですから当たり前ですよね。7連泊というとインパクトがあるのでニュースにしやすいですし、その相手が約20歳年下で尚且つ現役人気アイドルだったらこぞって報道するだろうなあと。

私のいけない部分だと思うのですが裕翔くんに関しては甘く考えてしまいがちで、「裕翔くんだからしょうがない」の一言で割と私の中では済んでしまうことが多いのですが、今回の騒動はさすがに上手く咀嚼できないでいました。
というより、大々的に報道されているのを見てすごく不安でした。人は勝手なもので一時的なイメージが強く頭の中に残るものです。
世間一般の方は中島裕翔と言えば最近よく目にする『ジャニーズらしくないジャニーズ俳優』と捉えているかと思います。そんなまだイメージが定着していない段階で7連泊するような人なんだ、と思われてしまうことが正直嫌でした。
好青年でいてほしいとも真面目キャラでいてほしいとも思ったことはありませんが、イメージが良いか悪いかで言えばあまり良くはないだろうと思うからです。


私は裕翔くんのことをよく天使だと表現しますがそうであってほしいと思っているわけではなく、天使みたいに無邪気で可愛い部分も好きだという意味で言っています。人間である以上すべて期待通りではないですし、だめな部分ももちろんあります。そういう意味では裕翔くんも一人の人間なんだなぁと知ることができたのは少し嬉しかったです。弱い部分もあるし、私達と同じように生きているんだな、と。

ですが、裕翔くんは芸能人でありアイドルです。
その存在そのものに価値があり、行動一つで何もかも左右されてしまいます。芸能人だからこうでなければいけない、アイドルだからしてはいけない、と決め付けたくはありませんが特殊なお仕事をしている以上、普通の人と同じことをしてはいけないと思うのです。もしくは表には出さないようにすることが大切なのではないかと思います。
今回の報道でも分かったように数年前と違い、グループ・個人共に知名度が上がった為か注目度もそれと比例して上がりました。プロとして扱われているということです。それならば、隠すことも大切なお仕事だと思うのです。慎重な性格ですし目先の事だけに捉われるような人ではないと思っています。ただ、お仕事に恵まれている時期なだけに隠し通せなかったことが残念でならないです。
自分が起こしたことが原因でどう物事が変わってしまうのか、自分の目で見て確認して自分の置かれている立場をしっかり見つめ直してほしい。そして改めて、どうあるべきかを行動として表すべきだと思います。

先程、裕翔くんのことを「目先の事だけに捉われるような人ではない」と言いましたが、捉われてしまったとしてもそれは人間ですので仕方ない事です。……ここが私の中で矛盾する点でした。許したいけど許したくない、そういう思いが絡まり合ってよく分からなくなりました。許そうが許すまいが関係ないんですけどね。自分で決めるしかないのです。本人達は知る由もない事なので。

それと同じように、私達が知らなくてもいいことがあります。知ってしまえばいろんな感情が芽生え、素直に好きでいること応援することが難しくなってしまうからです。
もちろんアイドルである前に一人の人間だと思っています。それ相応の経験を積み当たり前に恋をして、それを糧にお仕事に励んでいるアイドルの方もいるかと思います。私達に与えられている楽しさやときめき、原動力、そういったものが彼らの私生活の色々な出来事のおかげで成り立っているのかもしれません。分かっているつもりなので構わないのですが、それは私達が知らなくてもいいような気がするのです。


色々考えてみても、実際のところ私は変わらず裕翔くんが好きでした。ファンとしての気持ちと女の子としてのジェラシー!だとか色々な感情が溢れて驚きましたし、こんなに短期間で感情の起伏が激しくなったことはなかったので戸惑いもしました。知ってしまうと深読みをしすぎて、それが結果自分の首を締めてしまうことがあります。アイドルにファンタジーですとか非現実的なことを求めている訳ではないと思っていても、心の何処かでは求めているのかもしれませんね。

そうは思っても、根本にあるのは裕翔くん大好き!という気持ちだけで、逆に言えばそれだけでここまできています。頑張る姿を見ていたいし、少しでもいいからファンとして支えてあげたい。
色々思いながらも離れられないならしょうがない、と諦めに似たような気持ちでファンを続けることが私の中での答えでした。「しょうがない」という言葉は本当に便利です。認めたくないことも認められるようになるし、嫌なことも飲み込める。なるようにしかならないなぁと、ツイッターをお休みしながら考えていました。

裕翔くんだって完璧ではないです。
ですが今回の件を正当化しようとは思いません。きっと良い意味で自分を見つめ直す機会になったと思います。いつかでいいので、私達ファンに何かしら伝えてくれたら嬉しいです。言葉にはできないですからね、そういう意味では裕翔くんも私達とは違う意味で苦しんでいるのかもしれません。


ゆっくり進んでいけたらいいなあと思います。裕翔くんも、それから裕翔くんを応援している多くの方々も。
暫くはこの何とも言えない気持ちを抱えながら、いつか笑い話にできると信じて。





mina 201602

 映画『ピンクとグレー』でスクリーンデビューを飾る中島裕翔さん。「幕開けから62分後の衝撃!ピンクとグレーに世界は変わる」という触れ込みどおり、行定勲監督の大胆な構成に見た人は驚くはず。

「監督の“仕掛け”に僕自身も驚きましたね。まさに監督の魅力満載で、いちばんの見どころです!」

 劇中では、アイドルのイメージを覆すようなシーンに挑む中島さんの熱演に目を奪われる。

「お話をいただいたとき、アイドルがこんなことやっていいのかなって、一瞬思いました(笑)。本当にいろんなことに挑戦できたし、役をとおしてあれだけ感情を解放したことは今までなかったと思う。この作品で、自分のイメージを打ちくずせた気がします」

 芸能界を舞台に、スター俳優へと駆け上がった白木蓮吾と、幼なじみの河田大貴を軸に物語は幕を開ける。

「作中では嫉妬やねたみといった、人間らしいネガティブな感情も描かれていて、共感する部分がありました。僕自身もわりとまわりを気にするタイプで、焦燥感を感じたことがあったんです。この撮影中にもあったから(共演の菅田)将暉がおもしろい芝居をするから、オレ大丈夫かなって不安になって。そういうところでは、自分の素直な感情を持って、演じられたと思います。将暉とは初共演なんですけど、いろいろ僕をフォローしてくれて。最初のころは、インタビュアーのように演技についてたくさん質問しました。ウザかっただろうなー、あのとき(笑)。今でも連絡を取り合っていて『古着屋行こうぜ』なんて話してます。

 モデルとしても活躍している中島さんですが、女の子の冬のファッションで可愛いなと思うものは?

「女のコが着るチェスターコートがすごく好き。男が着ると、ひざ上くらいの丈になっちゃうんですよ。とくに俺は身長があるから余計に短くなる。それを背の小さい女のコが着るとマキシ丈くらいになって、あれがすごく可愛いと思う!女のコが着るチェスターはズルい!って、すごい熱く語っちゃった(笑)」

  

 mina 201602

 

DVD&ブルーレイでーた Yukisada × Nakajima

行定勲 × 中島裕翔
「ピンクとグレー」

人気スターという自身とも重なる役で映画初主演を飾った中島裕翔。彼の俳優としてのポテンシャルを高く評価し、その癖までいかしつつ行定監督がつくり上げた、新たな青春映画───その”秘密”を覗いてみる。

 

 加藤シゲアキの原作が読み手の想像を超える一篇だったように、行定勲監督による映画版も、思わず膝を打つ展開が待っている。果たして、宣伝コピーにもある“幕開けから62分後の衝撃”に至る着想はいかにして得られたのか?

まずはストレートな議題を、行定監督と中島裕翔に振ってみた。

行定 自分が歳を重ねて思春期と遠く離れたことで、青春映画で描かれる若い主人公たちの愚かさみたいなものを肯定できるようになったんです。ならば『ピンクとグレー』の主人公たちも、もっと愚かさやダメな部分が露呈していいんじゃないか…というところから、映画の構造が思い浮かんできて。でも、もっと言うと中島裕翔を主演に迎えると決まったときから、着想のタネはありました。加藤くんの原作は、挫折を味わう河田大貴が主人公なんですけど、僕のイメージする中島裕翔は、やはりスターダムを駆け上がっていく白木蓮吾なんですよね。原作自体もメタ構造的なところがあるし、裕翔が蓮吾を演じるということに加えて、後半にひと捻り加えることで、青春映画の主題たる栄光と挫折を違った視点から描けるんじゃないかな、と思ったわけです。

中島 映画の前半と後半でガラッと変わるという発想は、台本を読んだときからすごくおもしろいなとワクワクしていました。僕がアイドルという前提を踏まえながらも、そこにとらわれない表現に挑戦させてもらえたことで、幅が広がったと言いますか…引き出しがひとつ増えたという感覚です。

 元々、行定監督はいくつかの出演作を見て、役者としての中島を高く評価していた。そのポテンシャルをフルに引き出そうと、同世代の実力派を相手役に起用する。

行定 自分の名前で活動をしているけど、自分自身とは少し異なる偶像に憑依するのがアイドルで、そこに関しては裕翔も極めてプロフェッショナルなんですよ。だから、芝居するときにはその偶像から引き算で演じてもらって。そこに衝動で芝居をする…いわば足し算タイプの菅田将暉をぶつけて、受けて反射させることで、この作品を形にしていこうと考えました。本来、真逆からアプローチする2人を撮るときは、関係性ができていることを前提にするんですけど、裕翔と菅田は初共演ながらアッという間に仲良くなって。付き合ってるのかと疑いたくなるくらいベタベタしていたんですよ(笑)。

中島 将暉は同世代でも力のある役者さんなので、芝居に対する考え方とか聞きたいな───という、ちょっとした下心もあったんですけど(笑)、実際に話してみると、本当に気持ちのいい人なんですね。自然とリラックスできるというか…。それでいて、シーンごとにいろいろなアイデアを出してくる。芝居においては、常に意欲的なんです。だいたいは監督に却下されてしまうんですけど(笑)、それでもチャレンジを続けていく。一緒に芝居ができて、すごく刺激的でしたし、おもしろかったです。

 もちろん、監督&役者として組んだ両者も、大きな手応えを感じていた。演出と芝居が自然に噛み合う心地よさを、互いにこう語る。

行定 本作はある意味、何者でもない人間の話なんですけど、実はそういう役を演じるのが一番難しい。特に後半はいかにして人間としての裕翔自身に近づけていって、リアリティを出すかというのがテーマでした。そのひとつとして、人と話すときに左の首筋を触る彼自身の癖を生かしているんです。前半では指摘して控えてもらったんですけど、ワンシーンだけ前半でも確信犯的に使いました。それが何を意味するのかは、映画を観て確かめていただければと。

中島 そうなんですよ、僕、無意識に首筋を触っちゃうんですよね。監督の観察眼が鋭いのは現場でも感じていて、何か見透かされている感があったんですけど、どこを見ているのかなと思うことが、実は結構ありました(笑)。テイクを重ねる時も「芝居はOKなんだけどね」という言い方をなさるので、「え、何が違うんだろう!?」って。でも、監督は安易に答えを提示しないので、考える必要があったんですけど、その作業は役者としてすごく楽しいものでしたね。

 

ピンクとグレー

 原作はNEWSの加藤シゲアキ。現役のアイドルが芸能界を舞台に著した小説は、話題性ばかりでなく、青春の栄光と挫折をほろ苦く描いたという点でも高評価を得た。その映像化に挑んだのは、『GO』や『世界の中心で、愛をさけぶ』で知られる行定勲。中島裕翔という得がたい素材の旨味を引き出すために、原作とは異なる構造にアレンジして、若さゆえにピュアすぎた魂の痛みをスクリーンに刻み込んだ。その意欲的な手法によって色分けされた物語に、思わず目を見張ることだろう。

 

 

DVD&ブルーレイでーた

 

装苑 201602

中島裕翔(俳優)菅田将暉(俳優)

 Hey! Say! JUMPとして目覚ましい活躍の一方で、俳優として大きく歩を進めた中島裕翔。片や、着実にキャリアを積み、次世代を担う演技派俳優としてその実力をしっかりと蓄えてきた菅田将暉。映画『ピンクとグレー』で出会った、22歳の二人の魅力に触れる。

 

映画『ピンクとグレー』で出会った22歳の俳優二人、胸の内。

 2012年、加藤シゲアキの小説『ピンクとグレー』が発売と同時に大きな話題をさらったのは、単に現役のトップアイドルの初小説ということではなく、当事者じゃないと描けない感情の変化が緻密に記録されていたことだ。それは、普通の高校生が芸能界に足を踏み入れたことによって知る、選ばれし者と、どうあがいてもスポットライトを浴びられない者の差であり、光と影───。

 映画『ピンクとグレー』でこの光と影を表現するのが中島裕翔と菅田将暉だ。劇中の白木蓮吾と河田大貴の歩みと重なり合うように、10代から芸能界を駆け抜けてきた中島と菅田。二人の目には、『ピンクとグレー』の世界はどう見えていたのだろう?


中島 この映画って親友とはいえ、男同士の友情の裏にひそむ嫉妬と焦燥感をすごく炙り出す話だよね。

菅田 そう思う。男同士って少なからず競争心はある。加えて、芸能界は特に、自分の客観的な物差しを持つことは難しい。なぜなら、ファンの人や視聴者の人や観客の目にどう映っているかということの方を周囲から重く見られることがあるから。だから、焦燥感を抱きやすい場所とも言える。裕翔はそのあたりの感覚は大きいんじゃない?かなり早く、芸能界に入ったよね?

中島 10歳のときから活動しているけど、ジャニーズJr.の頃は右も左もよくわからないから、自分がどう見られているかなんて全く意識していなかった。むしろ、今が一番、周りから認められたいという気持ちが強いかもしれない。『ピンクとグレー』は初めての映画でありながら、さらに主演で、自分の実力以上に急激に大きくなることを求められた役。期待に応えるように頑張るしかないんだけど、その意味では、映画の前半、蓮吾が急激に売れていく状況と重なり合っている気がした。将暉は自分のパブリックイメージって気になる?

菅田 あんまり。芸能界のキラキラしたところに憧れていたわけじゃないから。タイミングよく、演じる役柄の印象もその都度、ガラッと変わってきたから、はっきりしたパブリックイメージがそんなにない気がする。でも、大貴の焦りはわかる。自分の小さい部分にこだわって、大きく見せようとあがいているところとか。まあ、男なら誰にでも覚えがあると思う。でも、映画の中で幼なじみのサリーがそうであるように、ちゃんと見ていてくれる人がいると救われるよね。

中島 そうだね。努力をちゃんと見てくれる人と、表面の輝きだけを見ている人との違いについては考えることがある。この映画ってエンターテインメントの裏と表を描いているじゃない?ジャニーズの先輩に食事に誘われてじっくり話をすると、ステージであれだけ輝いている人にも当然ながらプライベートの顔があって、悩みもある。外では絶対に見せないその顔を見て、「この先輩は本当に頑張っているんだな」と表の顔に惚れ直すことがある。

菅田 その人の放つ輝きが眩いほど、その人がいなくなった後の残照に心がざわめくことってあるよね。例えばカート・コバーンとか。結局、この映画の語るピンクって何だろう?

中島 僕にとってはアイドルをやっている時間がピンクで、オフのときの誰にも見せない時間帯がグレーかな。将暉は?

菅田 動物的な衝動や瞬間がピンクで、停止して考えている時間がグレーかもしれない。

中島 見た人の解釈を聞きたくなる作品になったので、本当に多くの人に見て欲しいな。

  

装苑 201602

 

 

NYLON 201602

アイドルが書き、アイドルが演じる。

62分後の衝撃は見たことのない世界。

Hey! Say! JUMPの中島裕翔が映画初主演。ジャニーズの先輩でもあるNEWS加藤シゲアキの小説デビュー作『ピンクとグレー』の大人気スター白木蓮吾役を演じる。現役アイドルが描いた芸能界の嘘とリアルを描いた話題作。



ジャンルはミステリーなのか青春群像劇なのか…。

「映画、初出演で初主演。3週間という短い撮影期間を無我夢中で駆け抜けた作品です。かなり前に原作を読んだのですが題材が今までにないようなものだし、原作を読んだだけでは正直どういった画づくりになるのか想像がつかなかったのが本音です。なのでやってみないとわからないなと思いました。芸能界の嘘とリアルが描かれた原作は芸能界に生きる人たちの少し怖いところも描かれています。芸能界の裏をどこまで演じてるかが課題だったりしたので、共演者の皆さんとはとにかくわかりやすくしようということを話しながら進めていました。行定監督を初め、型にはまらない方たちとの共演がなによりも勉強になりました。みなさんから受けるエネルギーがすごく、それに対して、僕も負けじと応える……そこで何か想像してなかったことがうまれる瞬間がとても心地よく楽しめました。

幕開けから62分後に衝撃的なシーンがあるのですが、そこから急にストーリーが変わるんです。これ以上言えませんがとにかく早く観てもらいたい。そして、この映画を観た人と話したいです。62分後だけではなく幕開け早々にも衝撃がありますし。この映画は映像もコロコロと変わるなど、カット割りもおもしろくて本当に不思議な作り方。自分でも早くこの先が観たいという気持ちになりました。最近の映画はCGや映像技術などの驚きはあったと思うのですが、今回の映画は“テクニック”での驚き。原作の内容をここまでうまく描写できる行定監督の考え方に僕は、衝撃をうけました。たぶん、いい意味で見た人すべてが行定監督の思う壺です(笑)

もしかしたら1回見ただけではわからないかもしれません。5回くらいみても、原作者であるシゲくんが伝えたかったところにはたどり着かないかもしれません。それほど深い内容になっていると思います。見終わったあとに誰かと内容について話したくなる……そんな作品だと思うので、みなさん口コミで広めてください」

 

 

QUESTION:

・最近のプライベートエピソードは?

「久しぶりになぜか親が洋服を買ってきてくれたんです。革ジャンだったりコートをもらいました」

・ハマっている食べ物は?

「今さらですが、食べるラー油。最近いただいたんです。ご飯が美味しく食べられます」

・無くてはならないものは?

「イヤホン。現場へ向かう前に、テンションを上げるために音楽が必要なんです」

・欲しいものはなんですか?

「星空を撮るための雲台です。カメラにつける三脚のようなもので、星が本当にキレイに撮れます」


 NYLON 201602

 

Hanako No.1102

 

  久々の登場となる中島裕翔さん。大人びた空気をまとい、モデル並みにロングコートを着こなす。強いライティングに合わせてクールなポーズをしたかと思えば、小道具のクッキーをかじった後の歯を見て、「黒くなっちゃった」とくったくのない笑顔。すらりと伸びる手足に、眼鏡越しでもわかる長いまつ毛。カメラマンに「王子様みたいだ」と言われると…。

「はは!よく言われるんですけど、自分ではそんなことないと思う(笑)。グループでいるときも、基本は笑いが多めでふざけてます。どちらかといえば、蓮吾より大貴みたいなキャラだから」

 初出演にして初主演となった映画『ピンクとグレー』に登場する役で自分をたとえる。りばちゃん(河田大貴)は、周囲を盛り上げる明るいキャラだが、大スターの親友・ごっち(白木蓮吾)に焦燥感を抱く場面も。芸能界が舞台の今作、過激な殴り合いやラブシーンにも挑戦した。

「途中、リアルとフィクションの境目がわからなくなって(笑)」と困惑したそうだが、行定勲監督や共演の菅田将暉さんと一緒に話し合いながら進めた撮影は、「このままずっと撮っていたい」と感じたほど充実した現場だった。

「アイドルだからっていうのは、今回の映画で打ち崩した気がします。俳優としてこういうふうにしてもいいんだという自信になりましたね。でも、俳優の仕事はJUMPがあるからこそできる気がするんです。どの役も、演じたときに、グループの中の自分とのギャップを出せると思うから」

 ホームであるグループについて語るときは、ふとやわらかに微笑む。その瞳に、彼のエアリーな魅力が姿をあらわした。

 

 

Hanako No.1102