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思惑の落し穴

恋はすべてどこまでも片思いだ。

「ゲノムハザード ある天才科学者の5日間」を観て。



Twitterでやたら西島くん、西島くんと言っているのでお気付きの方もいるかと思いますが、ただいま西島秀俊さんにどハマりしております。西島ウィーク中なのです。なんだそのウィークって感じですよね。確かに。ただひたすら西島秀俊さんが過去に出演した作品を観るという単純明快なものです。楽しいです。ただ時間が全然足りません。芸歴が長いと出演作品が多すぎる。でも追っかけていくのも楽しいですよね、醍醐味っていうか。今のこのネット社会はすごく便利で検索すればなんでも出てくるし、大抵の映像作品はネットに残っているので助かります。私は高画質なものがいいので大抵買ったり借りたりしてしまうのですが。

 

で、手を伸ばしたのが今回タイトルにも書いてある、

ゲノムハザード ある天才科学者の5日間

という映画です。

 

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観て!みんな観て!!めっちゃかっこいいから……っ!!
っていうぐらいにこの西島くんはかっこよかった…何がかっこよかったかっていうとあんまり「ココ」と言えるところがないのだけど、全体的に見てかっこよかった。ざっくり。大雑把すぎ。
※以下ネタバレです。注意してください。

まずはあらすじから〜〜!

ある日、石神武人(西島)は、
自宅で殺された妻を発見する。
呆然としながら突然鳴った電話に出ると、
受話器から聞こえたのは、
傍で冷たくなっているその妻の声だったーー。
この日を境に彼には別の記憶が混在するようになる。
そして辿り着いた事実、それはー…
本当の彼は韓国人科学者オ・ジヌだということ。
彼の記憶は“上書き”されていたのだ。


なぜか彼を捕まえようとする警察を騙る男たちから逃れながら、正体不明の女性記者(キム・ヒョジン)と真実を追ううちに、彼は自分の妻を装う女(真木よう子)と出会いーーー。

誰が、何のために記憶を奪ったのか?
なぜ、追われているのか?
ーーー5日後、すべての記憶は消える。

 
もうね、見てもらってわかると思うけど、話が入り組んでいるんです。複雑なんです。序盤は主人公同様何がどうなってるのか全くわからない。口をぽかーんって開けながら見てました。
普段はスマホをいじりながら観ることが多いのですがこの映画に限ってはずっと画面を見てました。
でないと話が理解できなくなりそうだったんです。 


西島くん演じる会社員・石神武人と韓国人の天才科学者オ・ジヌはイコールで結ばれています。石神=ジヌ。国籍も何もかも違うのにどうしてイコールで結ばれるんだろうって感じですが、これはジヌが元々行なっていた研究が大きく関係してくるんです。ジヌは日本でアルツハイマー対策のウイルスを開発していました。超頭良い…天才科学者かっこいい(結局それ)。
ジヌはその研究過程で、『その人物の記憶を記録できるウイルス』を発見します。なんなんだ、記憶を記録するウイルスって??はてなマークがいっぱい浮かんじゃうんですが。


ざっくり大雑把に言うと、、、
・ある人の記憶を記録したウイルスを保存しておく。
・その人がアルツハイマーを発症して記憶を無くしてしまったら、ウイルスを注入することで記憶を蘇らせることができる。
・元の生活ができるようになる!やったね!画期的だね!

でもこれが難しくて危険な面もあるんですよ〜〜!
このウイルスは、他人の身体でも使用すれば記憶が蘇り、自分として生きられます。言ってしまえば記憶を記録したウイルスさえあれば、その人が死んでしまっても別の生きている人間にウイルスを注入することで生きることができる、と。捉え方次第では永久的に生きられる。それが今回、石神=ジヌという、1人の人間が2人の人生を持っている理由にもなるんだけど、ここがまた複雑で……!



・どうして2つの家庭を持っていたのか?
ジヌが働いていた研究所の上司が、ある日車を運転中に人をはねてしまうところから始まります。はねてしまった人物が実は石神武人。その交通事故が原因で亡くなってしまいます。
それをジヌの上司はどうせ死んでしまったんだからこの際研究の実験体にしようと思いつくんです。動物実験だけでは足りないから、みたいな…ウイルスには臨床試験が必要なんですよね??
ちょうどそのとき研究所に残っていたジヌは、上司が石神を連れてきたところを偶然見かけて実験体にしようとしていることを知り、意見がぶつかっちゃうんです。人間で実験するなんて絶対にダメだって言うジヌと、前に進まなければウイルスは認められないと言う上司。口論の末、揉み合いになって、上司が持っていた注射器がジヌに刺さり、ウイルスが注入されてしまいます。石神の記憶を記録していたウイルスがジヌの体内に入り、元々自分が持っていた記憶の上から石神の記憶を上書きされてしまったので自分が韓国人であることも科学者であることも、もちろんオ・ジヌだということも忘れてしまうんです。妻がいたことさえ。自分が石神武人だと思っているので知らないうちに2つの人生を生きることに。これで家庭が2つになり、奥さんも2人いるという状況になってしまうんです。うわぁ〜〜混み合ってきたぞ〜〜入り組んできたぞ〜〜!!


・石神が自宅で発見した、殺された妻は?
妻を発見した自宅というのは石神武人の自宅です。
2つの家庭があるので家もまた2つ。
(※ちなみに石神の妻はジヌの上司が見張り役にと付けた偽物の妻なんだけど、一緒に生活していくうちに愛情が芽生えてしまうという、これまた切ない感じ…。)
殺された妻は石神の妻ではなく、ジヌの妻でした。
発見した際、部屋に飾ってあった石神として生きていた頃の自分と妻のツーショット写真を間際に見ていたので、倒れているのがジヌの妻ではなく、石神の妻(つまり現在の自分の妻)だと思い込んでしまったんです。ここら辺から記憶が混在します。

どうして石神宅にジヌの妻がいるのかというと、、、
自分から来たんです。この家に。同じような遺伝子の研究をしていたので、夫が行方不明になった時点で記憶を失ってしまったんだと気付いた妻。さらに自分とは別にもう一人妻がいることを知ってなんとか夫を取り戻そうと石神宅に入ったところ、偶然帰宅した石神の妻に見つかり、口論に。そして石神の妻がジヌの妻を、口論の末、間違えて殺してしまいます。
これが石神宅でジヌの妻が殺された真実でした。


・どうして記憶が混在するようになったのか?
殺された妻(ジヌの妻)を発見してから、記憶が乱れるようになります。石神になったりジヌになったり。利き手も変わるし、煙草を吸ったり吸わなかったり。突然ジヌらしい科学的知識をベラベラと喋り始めたかと思えば、石神に戻り「今僕何か言ってました?」って覚えていなかったり。そのきっかけは物語の終盤でわかります。元々ウイルスは未完成で効果がどれくらい持続するのかもまだわかっていない状態だったんです。そんな未完成のウイルスをジヌは投与されたので、その効き目が1年経った今、切れてきてジヌの記憶が蘇ったんじゃないかと。ジヌの推測ですが、研究していた本人なので多分当たってると思います。


そして、ウイルスの副作用なのか。
石神の記憶もジヌの記憶も徐々に消えていってしまうことに気づいたジヌは、そうなる前に自分に起こったことを記録してそのデータを自分と行動を共にしてくれていた韓国人記者、カン・ジウォンに渡すことにします。
最後、記憶を無くしてしまったジヌが再びジウォンの前に現れるシーン。渡されていたデータを見せようとジヌを食事に誘うジウォン。その部分がすごく好きでした。石神の記憶は消えてジヌの状態だから完全に韓国語で喋るんだけど、その韓国語が流暢すぎて西島くんがもはや韓国人に見えてきちゃうという、、、

とりあえず雑だけど、大体こんな感じのお話、です!!!
私の語彙力では説明不足すぎますが。


あと、個人的におすすめが、
西島くんの韓国語。

韓国人だっていうのは最初全然わからなくて、記者のジウォンに問い詰められて苛立って言葉を荒げながら反論しているうちに無意識で韓国語で怒鳴り始めるんです。その時に実は韓国人だったっていうのが初めてわかるんだけど、この瞬間がすごく好きだった…。日本語・韓国語・日本語・韓国語って一文ずつ交互に喋るところが演じるの大変そうだなぁ〜〜って思いながらも、韓国語を話す西島くんめっちゃかっこよくない…!?って手を握りしめてました。後半にいくにつれて韓国語が増えたりもするんですが、実際の練習時間はそんなになかったそうで。1時間半ぐらいだったかな??インタビュー記事に書いてあったような気がします。監督も褒めてくれています。

以下、監督のインタビュー。

「映画の中で西島さんが喋っている韓国語は本当に完璧に近い韓国語です。
釜山国際映画祭で初めてこの映画が公開された時、韓国の観客が、西島さんから韓国語のセリフが出た瞬間ウワッ!っと驚いて固まっていたのを僕は見ました。みんな本当にびっくりしていました。本当に上手だったんです。劇中には、韓国の悪い言葉もあえてセリフに入れたんですが、外国の俳優が韓国人の役を演じ、韓国のスラングを演技で使うのは初めてじゃないかと思います。」

 

ももっと驚きなのは、記者のジウォンを演じているキム・ヒョジンさんが僅か一ヶ月程で日本語をマスターしていること!!!片言ではあるけど観ていて支障にはならないレベルの日本語。
私たちは日本人だから分からないけど日本語って難しいんですよね??少しの日本語なら問題ないかもしれないけど、彼女まぁよく喋る。多分映画の7割くらいは日本語で話してたんじゃないかな…。本当に上手。あるシーンでは日本人が韓国語を話して、韓国人が日本語を話すっていうなかなかない逆転現象が起こってました。面白かった。

 

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あと、この映画の見所といえば、アクションシーン!!!

西島くんはアクションシーンが大好きなので今回もきっと張り切ってやったと思うのですが、ほぼスタントなしで自分でやってるんですよ〜〜〜!!もうそこが大好き…この人大好き…って思っちゃう…。身のこなしが素晴らしすぎる。素敵すぎる。

上の画像はびゅんびゅん走る車の間をすり抜けていくシーン。
たぶん4車線くらいあったような気が…たぶん…。すり抜けていくのもそうだし、カーチェイスも自分でやってるそうで。観てもらうとわかるんだけどもうバンバンぶつかってるし、そのぶつかってきた車を押しのけて走り出したりするし、車と車の間はすり抜けるわ、逆走するわで、西島くんが実際に運転しているってことを考えて観るともうヒヤヒヤしちゃう…ドライビングテクニックありすぎ…また惚れるやつ…。

個人的にアクション大好き人間なのでこのカーチェイスはお気に入りです。カーチェイスだけでなくそれ以外のアクションも面白いです。柵を飛び越えたり、屋根をよじ登ったり。
見応え抜群なのでぜひ観て欲しい…!!


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この映画は確かに難しい内容だし、最中は訳がわからなくなったりするけど、一つ一つ物事を咀嚼していって最終的には全部理解できる。主人公と同じように物事を把握できるようになる。ちゃんと全ての伏線が回収されていくのが気持ちよくて。緻密に考えられた構成だからこそ、こんなにクオリティの高い映画ができたんじゃないかなぁって思うんですよね〜〜。

最近の映画だと「結局これはどういうことだったの??」って終わってからも考えさせられるものがあって。そういう映画も割と好きなんだけど、この映画は伏線が全て回収されるからスッキリする。映画の最中はちゃんと観客を何もわからない状況に追いやってくれて、少しずつ適度に情報を与えてもらえることで自分の頭の中でパズルを組み立てるような要領で話と向き合えたし、そのおかげで話の理解度も深まったんじゃないかなぁ、って思います。情報も与えられすぎると考えることを放棄してしまうので。やっぱりせっかく観るならちゃんと考えて自分なりに咀嚼したいなって思うんですよね。映画好きなので。目から入る情報だけでなく耳で聞いた情報も自分なりに解釈していくとさらに面白みが増すし。映画にしろ、ドラマにしろ、映像作品はそうなんじゃないかなって……なんか勝手に色々と考えてしまったのでここら辺で終わりにしときます…!


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長々と語ってしまったけど、これだけの熱量を持ってしまうくらいに西島くんの演技大好きなんです。俳優・西島秀俊最高です。かっこいいです。大好きです。西島ウィークはまだまだ続きます。ゲノムハザードはもう一回見たいのでまた近いうちに見返そうと思います〜〜!ただ韓国語を話してるのを見たいだけっていうのもあるんだけど…不純すぎる……。

ぜひ観てください。ゲノムハザード。
最後に西島くん渾身のアクションシーンを。

 


西島秀俊・激走カーアクション!『ゲノムハザード ある天才科学者の5日間』 劇中映像

 




 

担当が「FINEBOYS」のレギュラーモデルを卒業しました。



担当が『FINEBOYS』のレギュラーモデルを卒業しました。

FINEBOYSという雑誌は多分女子で言うところのSeventeenかViViとかの立ち位置なんじゃないかなと勝手に思っています。メンズノンノとかもあるし、挙げだすとキリがないけれど。男子のお洒落バイブル!みたいな感じ。そんなファッション雑誌のレギュラーモデルに担当が抜擢されたと初めて知ったときは、嘘でしょ?という気持ちよりも「やったよ!!!モデル!!!毎月カッコいい格好をした自担見れるよ!!」っていう喜びの方が大きかったことのように思います。

ツイッターを見て下さってる方はご存知ですが、
わたしの担当はHey! Say! JUMP中島裕翔くんです。
担当ってさらっと言ってますがジャニオタじゃなかったら絶対に伝わらない言葉ですよね。ファン=担当。
裕翔くんは今グループの中で一番と言っていいほど身長が高いです。コンサートではある意味便利です。その身長で大体の位置を確認できるので。ですが、別意見もあって。高身長のジャニーズタレントは利便性が低いという記事を前にちらっとどこかで見かけたことがあるんです。
確かにそうだなあ、と思ったのを覚えています。随分前なのでどこの記事だったのかは覚えていないのが残念なところ。

裕翔くん自身も、身長が伸びたことによって立ち位置が端っこや後ろの方になったりと、あまり良いイメージは抱いていなかったみたいです。のちにインタビューで語ってくれています。確かに最初はセンターにいた子が成長するにつれて外れていくという過程を見ているとちょっと辛くもなるし、見ていると胸がキュッと痛む時期もありました。お仕事が全くなかった時期とかね。

なので、モデルのお仕事は本当に転機だったんです。
今までマイナスの要素だったものを一気にプラスとしてお仕事に活かせるなんて、気持ち的にすごく楽になったんじゃないかなって勝手にわたしは思ってます。グループの中で明確に決めているわけじゃないけどなんとなくポジションがあって。ドラマや映画、舞台、バラエティ、そこに新しくモデルというジャンルが加わった。どこに向かえばいいのか、正直わからなかった時期もあると思うけど、モデルに抜擢されたことで自分の求められているものがわかって「ああ、自分にはこういうこともできるんだな」「こういう役割もあるんだ」って分かり始めるとやっぱり見せ方も変わってくるんじゃないかと。現に裕翔くんはモデルの活動を始めてからアイドル雑誌でもポーズや表情、視線のやり方、少しずつ少しずつ自分なりに変えていったように思えます。でも全く変えてしまうのではなくて今まで自分がアイドルとして積み上げてきたものと上手くミックスさせて自分の幅を広くしているような、感じ。見ていてすごく楽しかったです。今でも楽しいです。モデルというお仕事はその後の映画『ピンクとグレー』にも役立っていると思います。要所要所に、ああ、ここモデルとしての経験が活かされているなぁと垣間見えるポイントがあって、裕翔くんの中でアイドルが一番大きな基盤で、その上に俳優とモデルがそれぞれ別のパーツで乗っかっているんだなと勝手に思っています。積み木みたいな感じです。…伝わるかな…(笑)

今回卒業ということで、ツイッターのタイムラインでは結構終わることを寂しく言っている方もいて。でもわたしは全然そんなことを思っていなくて。でもやっぱりいざ最後の号を手に取ると、胸にグッとくるものがありました。約4年半。『FINEBOYS』という雑誌を通していろんなモデル・中島裕翔を見せてもらいました。ずっと見つめ続けてきたのにまだ知らない裕翔くんがたくさんいて、それを引き出してくれた全ての関係者の方々に感謝でしかないです。あの時、中島裕翔の名前を出してくれてありがとう、と。そうでなければ、きっと潜んだままだった裕翔くんがたくさんいたと思います。
ハーフパンツだったりダメージスキニー、MA-1やスカジャンなど、絶対にFINEBOYSじゃなければできなかったことで。知りえなかったことで。ちなみにわたしはMA-1の裕翔くんがすごく好きでした!あと、キャップ!帽子被ると裕翔くん10割り増しで可愛くなるんですよ〜〜!かっこ良くもなるけど!


「ありがとう、男前な中島裕翔。」
と誌面にはありましたが。
ありがとう、FINEBOYS編集部の皆さま!ですね。

来月号から裕翔くんは誌面にはいません。
レギュラーモデルとして載ることはないです。
でも、またいつかFINEBOYSに載る日が来ます。新たなことにチャレンジをして大きく成長した裕翔くんが今よりももっと素敵に誌面を飾ってくれます。その数年後、もしかしたら一年後とかかもしれないけど、楽しみが待っていると思えば、卒業も寂しくないですね。新たな一歩!

 

約4年半、本当にお疲れ様でした!!
モデル・中島裕翔!最後の撮影も男前でした!!



映画「64 -ロクヨン- 」を観たので。


ポスターがカッコいい。


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映画を観るのが好きなんです。ツイッターの方でも結構呟いたりしてるので知ってる方も多いと思います、が。
ずっと気になっていた「64 -ロクヨン- 」という映画をやーっと観ました…!前編後編の二部作でキャストの方々がすごい豪華なんですよ!名だたる方ばかり。これだけよくスケジュール合ったなーって感心しながら観てました。キャスティングに感心しちゃう…(笑)!主演の佐藤浩市さんをはじめ、綾野剛さんだったり榮倉奈々さん、緒形直人さんや三浦友和さん、瑛太さん、窪田正孝さんなどなど。字面だけ見ても豪華すぎて凄まじい……。
原作は横山秀夫さんの同名小説で映画は原作とはまた違ったラストなんだそうです。それを聞くと原作も読みたくなっちゃう。


大体のお話はこんな感じ。

昭和64年に発生した未解決の少女誘拐殺人事件、通称「ロクヨン」。未解決のまま14年の月日が経ち、時効まで残り1年となった平成14年。警察庁長官による現場慰問が行われることとなり、県警では被害者の父・雨宮との交渉が進められていた。交渉を担当していた県警警務部広報官である主人公・三上は警察を全く信用せず慰問を受け入れない雨宮の態度に疑問を抱き、独自で「ロクヨン」事件を調べ始める。持ち上がる警察内部の隠蔽工作
そんな時、「ロクヨン」事件を模倣した誘拐身代金事件が発生するーーーー…。

  

もうね……こんなに胸が苦しくなる刑事ドラマってないなぁと。THE・邦画!って感じでした。説明が雑だけど。
アクションいっぱい。銃も撃ちます、みたいな刑事ドラマも好きだけど、ロクヨンみたいな一歩一歩犯人を追い詰めていく、でもそれが上手くいかない。現実に近い刑事ドラマも好きだなって改めて思ったり
邦画ってこういう地味なんだけどグッと心に迫ったり、感情を揺さぶられる感じが素敵。すごく好き。
感想文とか苦手なので話の筋には全然触れられないんですけど、一つの事件を解決することがこんなに時間を要して遠回りするのか…って切なくなります。主人公の三上はただ真相を知りたいだけなんですけど、それがいろんな事情で叶わない。
上司からの無謀な命令を熟さなければならないし、マスコミからは色々といちゃもんをつけられて揉めるし、私生活では娘が家出をして行方がわかっていない。いろんなことを抱えながら、それでも信念を貫いて犯人を追い続ける。そんな三上の姿にもどかしくなったり、胸が苦しくなったり、うるっときたり…。

前編の最後は三上の一人語りなんですけどそれがもう泣けて泣けて、こんなに泣ける刑事ドラマって最近なかなかなかったなぁ、としみじみ思いました。自分の気持ちをわかってくれない相手に対して下手に言葉を取り繕うのではなく、本当に心からの「なんでだよ」「どうしてだよ」って言葉に感情が乗っているというか滲み出ている感じで最後のシーンは三上を演じている浩市さんの演技力に泣かされました…もうたまらなかった…。
インタビュー記事を読んだところ、この場面の約9分間、長回しで撮ったんだそうです。回想シーンも入るからカットもできるのにあえて長回しで撮りたいと浩市さんが監督に頼んだそうで…役者魂すごいなぁ、って。感情の起伏が難しくて、でもそれを上手く表しているから、観ている私たちも引き込まれてまるでその場でこのセリフを言われているような気になる。
そんなシーンを終えて、話は後編へと。

思いっきりネタバレになっちゃいますが、
二度起きる誘拐事件、二度目の被害者が一度目の犯人です。
被害者が加害者になってしまうという負の連鎖。被害者が隠蔽やら色々あって警察なんてもう信用できないと自分の力で犯人を見つけるんです。一度目の、昭和64年に起きた「ロクヨン」事件の際、警察内部で隠蔽された出来事がきっかけで一人の男が警察を辞めるんですが、その人物が被害者の父親の協力者となり誘拐犯の娘をさらう、という。ざっくりだけどこんな感じ。

 

話は変わりますが、私、窪田くんが好きなんです。結構前から。
なので映画の窪田くんのシーンで結構うるっときてしまって。
窪田くん演じる日吉浩一郎は元NTTの職員で他人のために役に立ちたいという気持ちから科捜研に入ります。入ってまだ間もない頃「ロクヨン」の場に招集されるんですが、その事件以降14年間引きこもっているという役どころ。「ロクヨン」事件の際、誘拐事件でよくある電話の声を録音する機械が何かしらの不都合で使えなくなり、犯人からの電話を一回分録音できずに終わります。その録音作業を日吉くんが任されていた為、かなり責められ、また自らも自分のことを責め、引きこもりになってしまったんです。また当時の班長に「誘拐された子供に何かあればお前のせいだ」と言われてそれもかなり重たく乗っかったんだろうなと。
ひどいよね…そこまで言う〜?って胸が痛くなっちゃった…。
主人公の三上がその言葉を聞いてなんとか日吉くんに立ち直って欲しいと、お手紙を出します。自分の娘も家出して行方が分からなくなっているので、その娘と重ねて見ているのかも。
何を書こうか色々と考えて考えて、一言だけ。


「君のせいじゃない。」

これを読んで、日吉くんは号泣。私も号泣。
こんなシンプルな短い文が一番心にクるんですよー…。
一番言ってほしくて、一番言われにくい言葉。
誰が言うかによって重さも何もかも変わってしまう。
いろんなことを抱えた三上だからこそ言えた、君のせいじゃない。この言葉が日吉くんを救ってくれるんです。
出てくる場面は少ないのに完全に感情移入しすぎてて……幸せになって…日吉くん…。

 

完全に最後は日吉くんの幸せを願う展開になってしまったけど「64 -ロクヨン- 」よかったです!!
前編後編それぞれ2時間ぐらいあるので合わせると4時間になってしまうけど、それでも全然じっと見てられる映画。頭の中で出来事を追いかけながら見ていたので時間は意外とあっという間で、原作も読んで同じ場所と違う場所を照らし合わせたりしたいなぁ、なんて。
あと、キャストが豪華すぎるので画面がもう強烈!!!
瑛太綾野剛と坂口健太郎が映ってる時なんかすごい顔面偏差値だな!?って思いながら見てました…さすが映画…いや映画でもここまで揃えられないと思う…。しかも豪華キャストをちょい出しするんですよ。刑事本部長役の椎名桔平さんは多分数シーンしか出てない。なのに印象に残ってるから、やっぱりすごいなぁ、いっぱい出ればいいってもんじゃないんだね…それにしても椎名桔平の使い方が贅沢だった…。

なんのまとまりもないし、脈略もないブログで申し訳ないです…!この興奮と熱を伝えられたらそれでよし、なので!
よかったらぜひ見てください!
映画「64 -ロクヨン- 」おすすめです。間違いなく。

 

 

ひたむきに、一ノ瀬に寄り添う。

7月17日(日)からスタートした「HOPE~期待ゼロの新入社員~」も、放送回数残り僅か。ゴールデンドラマ単独初主演という大きな看板を背負った裕翔くんが一ノ瀬歩という役を通して私たちに伝えたいことは何なのか、そもそも一ノ瀬という人物をどのように捉えて演じていたのか。少しでも頭に入れておけば、残りの放送をまた違った気持ちで見ることができるのではないかと思い、勝手ながら雑誌でのインタビュー記事をこちらでまとめさせて頂きます。

 

・韓国ドラマのリメイクであることに対して。

 リメイクの作品に出るのが初めてだったので、どういうふうになるのか気になりました。『ミセン―未生―』の面白さを尊重しつつも、日本ならではの個性が出ればいいですよね。パピルス vol.67)

原作のどんなところに魅力を感じましたか。

他の人たちにフォーカスが合っていくことです。主人公だけではなく、ちゃんと周りの人間のバックボーンも描かれていて。そのリアルなサラリーマンの世界を描いていることにも惹かれました。あと、作中に出てくるキーワードの『共同作業』という言葉も、群像劇を描くうえでぴったり合っていると思いました。つまり“仕事は一人でやるものではない”というメッセージ性が作品にあって、そこに惹かれましたね(J Movie Magazine 2016 vol.13)

最初に『ミセン』を全部観て、今回の台本を読んだら、原作のキャストが喋っているようにしか想像できなくて、かなり引きずり込まれてしまったんです。なので、いまは原作も尊重しながら、『HOPE』のオリジナリティを出していきたいと思っています。原作を自分たちらしくどう変えていくか、制作側や僕らの熱い思いで臨んでいます。

(J Movie Magazine 2016 vol.13)

『HOPE~』は、『ミセン~』の良いところを選りすぐったものになると思います。ただ、韓国と日本での就職に関しての背景も違うと思うので、プロデューサーさんと話し合って、もうちょっと明るい一ノ瀬を演じていいのかなということになりました(person vol.47)

 

・サラリーマン役について

初めてではないのですが、がっつり商社自体が舞台になるものなので、新鮮な気持ちで演じています。今回、社会経験の全くない青年が、社会に出て、必死にひたすら闘い抜くという作品なので、そのプレッシャーも大きかったですね。(J Movie Magazine 2016 vol.13)

どの会社もそうだと思うのですが、厳しい場所で生き残っていくのは大変だと思うし、取引先だけでなく、上司とうまくいかなかったり、仲間と溝ができてしまったり、人間関係のなかで起きる問題に共感しました。こんなにやったのに報われないって感じることもあるかもしれないけれど、腐らずに頑張っていれば、絶対に誰か見てくれるし、評価してくれる人が必ずいると思うんです。

パピルス vol.67)

 

・主人公、一ノ瀬歩について

撮影を続けることによって一歩ずつ主人公の歩に近づけていったらいいなと思っています。まず、この作品は一つの社会を描いているわけで、視聴者の方に寄り添いながら、必死にやることに関しては僕も主人公と同じスタンスだよなと思ったんです。ただ、ひたすら必死にやれば、日本版なりの良さが自然に出るんじゃないのかなと思っています。

(J Movie Magazine 2016 vol.13)

一ノ瀬はいい人ですし、だからこそ不器用だし、世渡り上手ではないんですけど、周囲の人たちが一ノ瀬の行動をきっかけに、いろんなことに気づかされたりするし、良い意味で人に影響を与える人物だと思います。でも、媚びているところはないので、自然にそういう雰囲気がにじみ出るような芝居をしたいなと思いますね。一ノ瀬に、どれだけ近づけるかっていうことをいつも考えています

(person vol.47)

彼は22歳まで囲碁しかやっていない男。だけど、いまは夢を諦め、社会人として生きるために会社で奮闘し、新しい夢を見つけていくわけです。ただ、歩は家庭事情もいろいろと複雑な人物なので、シーンによってどこまで暗くして、どこまで明るさを出せばいいのか、そのバランスが意外に難しいポイントです(J Movie Magazine 2016 vol.13)

モチベーションの一歩目は母親からのものだと思うんです。母親が自分の知らないところで、後押ししてくれていたことに気付いて、その思いを受け止め、背負って歩いていこうとする。その後は、家族以外の誰か、つまり会社の仲間たちと一緒に仕事をしていくことが彼の目標になっていく。多分、そうした過程で歩は働く楽しさに気付いていくんだと思います

(J Movie Magazine 2016 vol.13)

今まで一対一の世界で戦ってきた彼は勝っても自分の力、負けても自分の責任の中で生きてきたんです。でも、そういう分かりやすい勝負の世界の垣根を越えて、人と接して、人との共同作業を学び、人と一緒に成功した時の嬉しさを感じていく。だから、母親の思いや周囲の思いが彼の中のモチベーションになっているのかなと思うんです

(J Movie Magazine 2016 vol.13)

お母さんだったりとか、面倒を見てくれる課長とか主任とか…一ノ瀬って、人に恵まれてるなぁと思ったんですよね。例えば、自分が思い悩んだとしても『大丈夫だよ!』って言ってくれる人がいたりとか、それで凄く前に進めてると思うんですよね、一ノ瀬って。(+act. 2016.8)

一ノ瀬なんて特に、囲碁に打ち込んできて、挫折しちゃって。その理由を、“お母さんが倒れちゃったから”とか、今までそうやって自分以外の何かのせいにしてきて…自分がもう1回闘って失敗することが怖かったけど。最終的には、色んな人に背中を押してもらって、前に進もう!って思えるので。ただ……このドラマの面白いところは、それで結構いいところまで行くんじゃなくて、何回も落ちるんですよ(笑)。上がったと思ったら、すぐ落ちるし…感情の起伏が激しいので、可哀想だなぁと思ったりするんですけど。そういうものにも寄り添っていければなと思います(+act. 2016.8)

 

・アプローチ方法、共通点について

表情だけが重要というわけではないのですが、リアクションが予定調和にならず、誰かが言ったことに対してちゃんと聞いている感じが出ればと思って、表情で変化をつけたいなと思ったんです

話が進むごとに、いろんなことを覚えていくという役ですから、最終話に近づくにつれて、貿易用語など意味を調べていこうと思っています。こういうことは、はっきり表の演技に出る部分ではないけれど、違いは表れると思うので、心がけています(person vol.47)

「また次に失敗することが怖かったんだ」っていうモノローグがあるんですけど、何かにチャレンジすることは怖いし、失敗してしまうのはもっと怖い。僕は「周りにどう見られているんだろう」とか、「誰かと比べられているんだろうな」って体面を気にしてしまうことが多いので、そこが似ているかもしれません。(パピルス vol.67)

モノローグがあるようなドラマも、初めてなんですよね。回想明けとか、そういうシーンとの繋がり、芝居っていうのはやったことがあるんですけど、そのモノローグとお芝居のバランスっていうのが初めてで…凄く難しいなと思いました。どっちにいくか?というか、モノローグはそこまで感情を込めて言わないので、そのぶん表情ではわかりやすくしたほうがいいのか?それとも、もうちょっと自然なほうがいいのか?これは、前回撮った映画『僕らのごはんは明日で待ってる』で学んだことなんですけど。“僕ごは”では、『とにかく余計なことを捨ててくれ』って言われて。『棒読みでもいい。そこにあとから感情がついてきて、その感情で言えるようになるはずだから』っていうアプローチの仕方だったので。だから今回、それが終わってからのドラマなので、そのバランスが凄い難しいなぁと思ったんですね。それはドラマは見せ方がそうなだけであって、本人は変わらなくていいのかなって思いますし、結局は、監督さんの要望に応えるのが最善なんですけど。(+act. 2016.8)

(山内さんも、コメントで『中島さんの芝居のポテンシャルの高さに驚いている」とおっしゃってましたね。)本当ですか?嬉しいですね。自分ではどこまでポテンシャルがあるかわからないので…。そういう風に、傍から見て言って下さるのって、やっぱり嬉しい限りですよね。それを信じて、やっていけるなとも思うし(+act. 2016.8)

僕は商社で働いてるような友達とかもいないし、そういう意味では何もわからないので。自分が本当にわからないまま翻弄されていくというか…そういう印象が強いです。なので、やっぱりなるたけ事前に情報を入れないようにとは思っていて(+act. 2016.8)

自分達の活動の範囲でしか仕事をやってきていないので。そういう社会常識みたいなものって、一ノ瀬に近いぐらいないといえばないので。そういう“初めてだらけ”っていうのは、等身大な自分も少し投影したりだとか…出来ているんじゃないかなと思います(+act. 2016.8)

そんなにたくさん囲碁のシーンが出てくる訳ではないんですけど、回想とかで出てくるので。そのルールとか…その佇まいだったり、あとはやっぱり打ち方ですよね。自分の手元(を撮影)じゃなかったりもするんですけど、打つ時の音、パチッ!と鳴らさなきゃいけないですし。そういうところから、動画を観て勉強したりとか、実際に指導の方に教えて頂いて…っていう感じですかね。満足な学歴もないまま、ずっと囲碁に打ち込んできた人が、商社という全く知らない世界に入っていくっていう…そういうところは考えるようにしてます(+act. 2016.8)

(一ノ瀬は囲碁に)これまでのほとんどをかけてきた訳だから、そこの立ち振る舞いとかって、凄く出ると思うんですよ。考えてる時とか…実際に、囲碁の格言を思い出して、次に進める話もあるので。だから、それを全部なくした時に、人はこれだけ無防備になってしまうんだなっていうか。結局は…囲碁をやっていたことも崩されてしまうんですけど。だけど、やっぱりそれまでやっていた何か、みたいなのは大事かなぁと思って(+act. 2016.8)

不器用だけど、自分が思ってることを素直に言うことで、みんなが今まで忘れていたことに気づかされたり…っていうのがあるので。そう思うと、やっぱり素というか、わりと自然体なほうが響くんじゃないかなって思うんですよね。もちろん、場に応じて違いますけどね
 (+act. 2016.8)

 

 ・どのような作品にしていきたいか

日曜日の21時の枠でドラマをやらせていただくにあたって、楽しく月曜を迎えられるものを作りたいと思っています。なので、単純に“明日からまた会社で頑張るぞ!”というふうに思ってもらえるものを目指したいんです。実際、働くどの職種でも共感できる部分が多い作品だと思うので、観てくださる方に寄り添いながら、共感できて、働く方を応援できるような作品にできればと思っています

(J Movie Magazine 2016 vol.13)

このドラマには、働いている人なら誰もが共感できるセリフもあるので、見てくださった方が、身近な人、例えばお父さんとかを尊敬できるようになったり、働いている自分を認められるようになったりできる作品になるのではないかと思います(person vol.47)

 

 

雑誌媒体で役作りについて聞かれた時、役になりきるのではなく、役に『寄り添う』と表現していた裕翔くん。その考え方が凄く好きで今回まとめてみました。人物の背景やセリフの行間、どういう気持ちでこのセリフを言うのかしっかりと考えたい。そう考える、ひたむきな裕翔くんだからこそ、あのひたむきな「一ノ瀬歩」が完成したのだと思います。

 

個人的なまとめにお付き合い頂きありがとうございました。一ノ瀬くん、大好きです!!!!

以下、全文を掲載していますのでよかったらどうぞ。

 

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役と共鳴する

 この日は、主人公の一ノ瀬歩が働く与一物産のオフィスでの撮影が行われていた。本番が始まる直前に、控え室とスタジオをつなぐ廊下で中島が出番を待っていたが、そのとき、スーツ姿でチョコのお菓子をつまんでいるほほえましい姿を偶然にも発見。だが、リハーサルが始まると、すぐに役者の顔に切り替わる。最初は動作の確認をしたり監督からの指示を受けて、ひとつひとつ応えていた中島だったが、本番では表情や動きがより生き生きとしていた。

 撮影前にたたずんでいた中島の姿は、どこかの新入社員がスタジオに紛れ込んだかのようだったが、セットのデスクにつき、椅子を移動させて共演者と話しているときは、ここはどこか実在するオフィスなのでは?と思えてくるほどだった。実際、セットはエレベーターホールまで続く本格的なもので、オフィスに置いてある事務用品や本ひとつをとってもリアルなため、中島がデスクに置いてある備品に興味を示す場面もあった。

 撮影の合間には、課長役の遠藤憲一や主任役の山内圭哉に、その日出てきた「OJT研修」というセリフの「OJTとは何の略か」というクイズを出していた中島。すると「OはおおまかのO?」といった冗談が飛び交い、中島も「おおまかじゃないですよ!」と楽しそうに切り返す。また、中島のセリフ覚えは完璧だそうで、遠藤が「何度、中島くんにセリフを教えてもらったか」と感心している姿も見られた。

 今回、忙しいドラマ撮影の間に小誌のインタビューや撮影の時間をいただいたのだが、セットの裏側やライトのすき間など、予想外の場所で行われる写真撮影に「えっ、ここで?」と戸惑いつつも、次々とポーズを決めてくれた中島。リハーサル中にも小誌のカメラマンにさりげなく目線をくれる優しい気配りもあった。本番が終わると、俳優やスタッフ全員が、大きなモニターで演技や音をチェックする。中島は、モニターの真ん前に位置取り、キラキラしたまなざしで映像をチェックしていた。しかも、無意識なのか、小道具のカバンを持ったままモニターに見入っている姿がほほえましく、一ノ瀬のキャラクターに重なって見えた。

 その後は、社会人として右も左も分からなかった一ノ瀬が、課長の指示がなくとも、進んで仕事をしていることで、課長に“ドヤ顔”を見せるというシーンの撮影が行われた。そのうれしそうな“ドヤ顔”を見た課長は、一ノ瀬の成長に気づいて思わず笑みを浮かべてしまい、そんな自分に対し、ちょっと照れているようにも見えたが、実際に撮影現場で中島の無邪気な“ドヤ顔”を見ていると、取材をしている小誌スタッフまでもが、ふっと笑顔になっているのに気づいた。

 原作の韓国ドラマはシリアスさもあるが、日本版は韓国版をリスペクトしながらも、独自の明るい空気が加えられている。撮影中の中島の表情からも、タイトルの通り、HOPE=希望が感じられた。撮影の合間のわずかな時間、中島が小誌だけにインタビューに応じてくれた。

 

撮影現場での演技を見たら、表情がすごく豊かでした。

「表情だけが重要というわけではないのですが、リアクションが予定調和にならず、誰かが言ったことに対してちゃんと聞いている感じが出ればと思って、表情で変化をつけたいなと思ったんです」

ほかに演技において重要だと思う部分はどこですか?

「今回の役でいうと、最初の段階では何でも知りすぎないことですね。話が進むごとに、いろんなことを覚えていくという役ですから、最終話に近づくにつれて、貿易用語など意味を調べていこうと思っています。こういうことは、はっきり表の演技に出る部分ではないけれど、違いは表れると思うので、心がけています」

中島さんが演じる一ノ瀬歩を、どういうキャラクターと捉えていますか?

「一ノ瀬はいい人ですし、だからこそ不器用だし、世渡り上手ではないんですけど、周囲の人たちが一ノ瀬の行動をきっかけに、いろんなことに気づかされたりするし、良い意味で人に影響を与える人物だと思います。でも、媚びているところはないので、自然にそういう雰囲気がにじみ出るような芝居をしたいなと思いますね。一ノ瀬に、どれだけ近づけるかっていうことをいつも考えています」

撮影中の雰囲気もよかったですけど、遠藤さんにアドバイスをもらったりとかはありますか?

「遠藤さんは、『前のシーンでこういう言葉が出てきたから、つながるようにしたほうがいいんじゃない?』とか、一緒に考えるきっかけをくれますね。『そんな細かいところまで考えていなかったな』と気づかされることが多いです」

今までに撮影した中で、印象に残ったシーンはありますか?

「社会人になるということで母親からスーツを買ってもらうシーンでは、いつも母親にキツくあたっているのに、それでも歩の背中を押してくれているんだなと思えてぐっときました。桐山くん演じる人見と社内プレゼンをする場面もよかったです。一ノ瀬の一生懸命さが見えるシーンになっていると思います」

桐山さんとはお芝居の合間にどんなふうに過ごしていますか?

「今回初共演なんですけど、ジュニア時代から面識もあってすぐに打ち解けたし、撮影の合間にも、ここはこうしたらいいんじゃないかっていうことを話し合っているし、ふたりで一緒にものづくりをしている感覚があります」

このドラマは韓国ドラマのリメイクですが、そこは意識しましたか?

「『ミセンー未生ー』の全20話を見た後に『HOPE~』の台本をもらったので、最初は台本を読んでいても、韓国版の俳優さんの顔が頭の中に浮かんでしまったんですよ。そこから自分たちのお芝居に変えていくのが大変でした。『HOPE~』は、『ミセン~』の良いところを選りすぐったものになると思います。ただ、韓国と日本での就職に関しての背景も違うと思うので、プロデューサーさんと話し合って、もうちょっと明るい一ノ瀬を演じていいのかなということになりました」

スーツを着たサラリーマンを演じてみて、実際のサラリーマンの方に共感できる部分を感じましたか?

「サラリーマンの方って、スーツを着て電車に揺られて会社に来て、そこから“本番”が始まるじゃないですか。電話対応したり、メールチェックしたり、会議の準備をしたり。今回サラリーマンを演じて、街を歩くサラリーマンの方が、かっこよく見えてきました。このドラマには、働いている人なら誰もが共感できるセリフもあるので、見てくださった方が、身近な人、例えばお父さんとかを尊敬できるようになったり、働いている自分を認められるようになったりできる作品になるのではないかと思います」

 

 

 

person vol.47 

 

ひたむき。

 繊細かつ大胆な演技で“青春の光と影”を演じ切った初主演映画『ピンクとグレー』の印象は強烈だった。時代劇『信長燃ゆ』、スペシャルドラマ『刑事バレリーノ』、『デート~恋とはどんなものかしら~ 2015夏 秘湯』、主演2作目にしてラブストーリーに初挑戦した映画『僕らのごはんは明日で待ってる』が来年公開と、当然これまでも役者として多くの作品でその存在感は注目されてきたが、近年、役者としてネクストステージへと確実にその歩みを進めている感がある中島裕翔。現在、約1年半ぶりとなる連ドラ、しかもゴールデンタイムとしては初の単独主演作『HOPE~期待ゼロの新入社員~』の撮影真っ最中。今作で中島が演じるのは、幼いころからの夢に挫折し、総合商社で働くことになった主人公・一ノ瀬歩。社会経験も学歴もない“期待ゼロ”の新入社員だった彼が、数々の困難にも屈せずひたむきな努力を重ね、組織の一員へと成長していくこの物語の中で貫かれる一ノ瀬の“ひたむきさ”は、そのまま中島が芝居に注ぐそれだ。このインタビューの中で語られる、今作に取り組む中島のどこまでも真摯な姿勢。真面目で心配性ゆえに、自分の芝居に常に不安を抱きながらも、それでも自身を、ともにドラマを作り上げる仲間達を「信じてやるしかない」と話し、いつだって一ノ瀬ならどうするか?を考え続けている…そんな中島本人のひたむきさが、きっと多くの人の胸を打つことになるだろう。

今作は、韓国のドラマが原作ということで。台本を読まれて、今回演じる一ノ瀬という人の印象とは?

「そうですね。それこそ、僕は商社で働いてるような友達とかもいないし、そういう意味では何もわからないので。自分が本当にわからないまま翻弄されていくというか…そういう印象が強いです。なので、やっぱりなるたけ事前に情報を入れないようにとは思っていて」

満足な社会経験のない新入社員ということで。

「はい。そういうサラリーマンもやったことないですし、言ってしまえば、自分達の活動の範囲でしか仕事をやってきていないので。そういう社会常識みたいなものって、一ノ瀬に近いぐらいないといえばないので。そういう“初めてだらけ”っていうのは、等身大な自分も少し投影したりだとか…出来ているんじゃないかなと思います」

役作りとしては、そういったところから?

「そうですね。それと、囲碁をやっているということだったので。そんなにたくさん囲碁のシーンが出てくる訳ではないんですけど、回想とかで出てくるので。一応、そのルールとか…その佇まいだったり、あとはやっぱり打ち方ですよね。自分の手元(を撮影)じゃなかったりもするんですけど、打つ時の音、パチッ!と鳴らさなきゃいけないですし。そういうところから、動画を観て勉強したりとか、実際に指導の方に教えて頂いて…っていう感じですかね。満足な学歴もないまま、ずっと囲碁に打ち込んできた人が、商社という全く知らない世界に入っていくっていう…そういうところは考えるようにしてます」

ビジュアル的な部分…衣裳や髪型というのは、どうですか?

「1話に関して言うと、“学生”と“囲碁を打つ”シーンがありますし、その囲碁に挫折してからは、ちょっと野暮ったくなっているというか、髪の毛もボサボサになっていたり…。そういうビジュアル面での変化を出すのが、凄く難しかったんですけど。あと、インターンになってからの髪型だったりとか、正式にインターンから契約社員に採用されましたっていう(段階での)髪型の変化もありますし…凄く、そこはメイクさんと話しながら。衣裳はずっとスーツなので。といっても…最初はスーツも持ってないので、自分のお父さんが着てたスーツを着るんですけど。見事にダサくて、ブカブカで(笑)。なんかでも、そういう目に見えて変化するのは面白いなって」

『ピンクとグレー』で取材させてもらった時も凄く感じたんですけど。その髪型や服装の細かな変化もそうですし、そんなにシーンがないとしても、囲碁について勉強をしておく…結構、役の背景について凄く気にされるタイプなのかなぁと。

「そうですね。特に1話は、モノローグが多くて。ほかに役作りみたいなものが…なくはないですけど、ちょっとこういうことしておかないと不安な自分がいて(苦笑)。やっておいたほうが安心かな、みたいな。(一ノ瀬は囲碁に)これまでのほとんどをかけてきた訳だから、そこの立ち振る舞いとかって、凄く出ると思うんですよ」

普段の生活にも、何か習慣とか癖になっていることがあったり。

「はい。考えてる時とか…実際に、囲碁の格言を思い出して、次に進める話もあるので。だから、それを全部なくした時に、人はこれだ無防備になってしまうんだなっていうか。結局は…囲碁をやっていたことも崩されてしまうんですけど。だけど、やっぱりそれまでやっていた何か、みたいなのは大事かなぁと思って」

クランクインから約1ヵ月。

「はい、そうですね」

実際に一ノ瀬歩を演じてみての感触、手応えはいかがですか?

「さっき話したように、1話ではほとんどセリフがないんですよ。ずっと心の声で。だから、みなさんがセリフ多かったりすると、なんか申し訳ないなって思っちゃったりするんですけど(笑)。そういうモノローグがあるようなドラマも、初めてなんですよね。だから、そのモノローグの間だったりとか、モノローグに合うようなお芝居をするのが新鮮ですね」

一ノ瀬の心の声=モノローグというところでは、どちらも“自分”ですもんね。

「そうなんです。回想明けとか、そういうシーンとの繋がり、芝居っていうのはやったことがあるんですけど、そのモノローグとお芝居のバランスっていうのが初めてで…凄く難しいなと思いました。どっちにいくか?というか、モノローグはそこまで感情を込めて言わないので、そのぶん表情ではわかりやすくしたほうがいいのか?それとも、もうちょっと自然なほうがいいのか?これは、前回撮った映画『僕らのごはんは明日で待ってる』で学んだことなんですけど。“僕ごは”では、『とにかく余計なことを捨ててくれ』って言われて。『棒読みでもいい。そこにあとから感情がついてきて、その感情で言えるようになるはずだから』っていうやり方、アプローチの仕方だったので。だから今回、それが終わってからのドラマなので、そのバランスが凄い難しいなぁと思ったんですね。ドラマ的な見せ方って、やっぱりあるじゃないですか。わかりやすかったりとか」

ドラマならではの“説明”も必要ですしね。

「そうなんですよ。だから…それはドラマは見せ方がそうなだけであって、本人は変わらなくていいのかなって思いますし、結局は、監督さんの要望に応えるのが最善なんですけど」

映画“僕ごは”については、Hohnny's webでも「これまでとは全く違うアプローチをした作品」とありましたね。

「全然違いましたね。究極の役作り、と言ったらわかりやすいのかなぁ。例えば、つらいシーンでもこうして(眉間にシワをよせて)厳しい顔しなくても、観てる人には伝わるし…とか、あんまりわかりやすくしなくていいんだなぁっていうような」

そこでの経験があったから、今回余計にっていう…。

「まぁ、だいぶ…そうですね、違いを感じますね。だから、変わらなくていいのか?って悩んでるところでもあって。特に一ノ瀬は、凄くアタフタしてる動きだったりとかもあるんですけど、桐山君が演じている人見のように、オーバーな口調だったり、手をつけて説明したりとかっていうのはあんまりしないし。プレゼンのシーンでも、そんなに上手く話せなくていいって思ってたんですよ。不器用だけど、自分が思ってることを素直に言うことで、みんなが今まで忘れていたことに気づかされたり…っていうのがあるので。そう思うと、やっぱり素というか、わりと自然体なほうが響くんじゃないかなって思うんですよね。もちろん、場に応じて違いますけどね」

見え方、見せ方というのを凄い考えるんですね。前回「わからないことはすぐに監督に聞きに行っちゃうタイプだ」ともおっしゃってたんですけど。そこもまた今回は、演出の河野さんだったりに聞いて?

「そうですね。聞きますけど…やっぱり、監督によって違うので。あと1話の台本が準備稿と決定稿で結構違いが生じたんですが、『準備稿にあったバックボーンは必要だから、それは覚えておいてほしい』って言われました」

20話と長い韓国のドラマを日本の連ドラにする訳ですから、そういうことは多々あると思いますが…やっぱり、演者さんにとっては結構な“事件”ですよね(笑)。

「そうなんですよ(笑)!だからそういう意味では、感情だったりとか、『この時は、どっちなんですかね?』とか、つらいけど前向きなのか?それとも自分にガッカリしているのか?っていうのを聞いたりします。でも考えに考え抜いたあとは、もうあんまり考えずに、感じたことで…もうそれが間違ってたら、ちゃんと監督さんに軌道修正して頂けるし、それを信じてやるしかないなっていうのもあるし」

一ノ瀬は、挫折を知ったところから懸命に這い上がって、そのひたむきさが周りの人達をも変えていくような人。そういった作品なり台本を読む時って、自分とのオーバーラップするところだったりっていうのを探したり、感じたりっていうのはやっぱりあるものですか?

「ありますね。やっぱり、共感出来ないと感情移入出来なかったりするし、かけ離れていても近いものを探したりとかします。今回は、本当に社会常識もゼロで、なんにも出来なくて…自暴自棄になったりして、途方に暮れていた一ノ瀬だったんだけど。それでも、お母さんだったりとか、面倒を見てくれる課長とか主任とか…一ノ瀬って、人に恵まれてるなぁと思ったんですよね。僕も、今まで色んな作品の現場に携わらせてもらっているけど、毎回、どの現場も凄く楽しいし、いい現場だったなぁっていう思い出ばかりで。恵まれてるなぁっていうのは感謝していることなので。例えば、自分が思い悩んだとしても『大丈夫だよ!』って言ってくれる人がいたりとか、それで凄く前に進めてると思うんですよね、一ノ瀬って。やっぱり、そういう部分は共感出来るし…だから凄く、最初台本読んでるだけでも、新しいスーツが掛けられているシーンがあるんですけど」

お母さんが新調してくれたスーツですね。

「(頷いて)そういう、台本読んでるだけでもウルッとなってしまうシーンが何回かありましたね」

壁にぶつかったり、逃げ出したいけど逃げたくないっていう一ノ瀬のような経験は、中島さん自身にも?

「少なからず、あると思いますね。例えば…お芝居で上手くいかなかったりだとか、気持ちが入らなかったりとか…なんかそういう時って、色々…何かのせいにしたくなったりとか、それこそ逃げたくなったりするんですけど。でも結局、自分を成長させるためには、やっぱり自分自身で闘わなくてはいけないなっていうのは…凄く気づいたことというか。今まで、どこかしら自分が逃げてきた部分があるから、成長出来なかった自分もいたし。そこはちゃんと自分との問題、自分の中の問題とは凄く向き合うようにしていますね」

何か、そう考えるようなきっかけがあったんでしょうか。

「あんまり…どの時期っていうのはないんですけど、毎回そうやって作品をやらせて頂くにあたって、そういう想いとは直面することはあるので。単純に、気持ちを込めてセリフを言えなかったりする時も、このセリフに対して自分の考えが足りなかったなと考えたり。あんまり誰かのせい、何かのせい、にすることがなくなった気がします。一ノ瀬なんて特に、囲碁に打ち込んできて、挫折しちゃって。その理由を、“お母さんが倒れちゃったから”とか、今までそうやって自分以外の何かのせいにしてきて…自分がもう1回闘って失敗することが怖かったけど。最終的には、色んな人に背中を押してもらって、前に進もう!って思えるので。ただ……このドラマの面白いところは、それで結構いいところまで行くんじゃなくて、何回も落ちるんですよ(笑)。上がったと思ったら、すぐ落ちるし…感情の起伏が激しいので、可哀想だなぁと思ったりするんですけど。でも、そういう気持ちは理解出来なくはないので。そういうものにも寄り添っていければなと思います」

中島君自身が、挫折だったり、上手く出来ないことを、ちゃんと自分ひとりで考えて、悩んで、乗り越える人なんですね。

「そうですね、あんまり誰かに相談しないですね。相談するとしたら、お世話になってるプロデューサーさんだったりとか…先輩にもあんまり言わないですし、それこそメンバーにも話さないので」

そうなんですか。

「うん。誰かしら人が携わっていたりとかするので、そういう環境とかもやっぱりあると思うんですよね。その中で、“自分はこうしていきたい”みたいな…芝居だけじゃなく、何でもそうなんですけど。写真でもドラムでも、誰か“こういう風にやりたい”みたいなものがあるんで。そういう、まず憧れの人を作ることが大事なのかもしれないですね。形から入るじゃないですけど、こういう風になりたいとか」

明確な目標になりますもんね。憧れがあると。

「そうなんです。だからこそ、こういうことをやったほうがいいのかなぁとか思えるし。そういう自分で考えてやらないといけない、みたいな考えは…周りの大人の人に教えてもらったりとか、ドラマの現場で学んだことであったりとか。そういうことが多かったんじゃないですかね」

いわゆる“サラリーマン”役としては、『半沢直樹』では正義感の強い銀行員、『デート~恋とはどんなものかしら~』では硬派で爽やかな営業マンと、これまでも演じてきましたが、今回の一ノ瀬のような“等身大”のサラリーマンはやりやすい部分もあるんでしょうか?

「そうかもしれないですね。もちろん『半沢~』の時も、現場の環境と自分の立ち位置みたいなものが、凄くリンクしていたんですよね。周りは大先輩ばっかりですし、年上の方がたくさんいて…っていう、その環境的には変わらないし、その中で上司の理不尽な物言いと闘ったりとか、だまされそうになったけどそれでも半沢を裏切らない心だったりとか。3話で僕がバッ!と携帯を差し出すあの時は、自然と悔しいなっていう気持ちで泣けたりとか…そういうところでは、リンクする部分はあったんですけどね」

結構、演じる時って、役に同化している感覚に近いのかな。

「どうなんですかね?そうなのかな…そうかもしれない。今回も、例えばインターンの間でちょっとしたいじめみたいなのがあるんですけど、その撮影の時も、すっごくつらくて…。芝居だってわかってるんだけど、あの仲間はずれ感みたいな…あれはちょっとつらいなぁってなりました。だから最初から話さないようにしてたんです、みんなと」

そうなんだ。今回はかなり同世代の役者さんがたくさん出演されているから。

「そうです。だから…桜田通君がやる新村とか、ちょっと嫌なヤツで…」

そういう関係性で、(『弱くても勝てます』以来)今回またご一緒出来るっていうのは嬉しいですね。

「そうなんですよ、嬉しくて。だから、通君ともっと喋りたかったなぁと思って(笑)」

今はその役の関係上、距離を置いている感じで?

「そうなんですよね。普通に合間は喋ったりしますけど、一応、役柄上の距離感というか、そこはやっぱり保っておかないとなぁっていう」

自分の芝居がOKなのかどうかわからない不安というのは、オンエアされるまで不安なものですか?

「不安ですね。特に、『チェックが間に合わなかった』っていう時とか…。でも、どうしても見たい時は『さっきのこのシーン見返せますか?』ってお願いしたりとかします。まぁでも、OKって言われたなら、OKなんだなっていう気持ちもどこかにあるし…それはやっぱり信じてやっていかないと、ダメかなぁと思ってるんですけどね」

幼いころから“仕事”の現場に居るから、そんなに不安に思ったりすることってあまりないのかと思ってたんですが…結構、心配性なんですかね。

「あぁ~!うん、心配性ですね。凄い心配性です!」

ははは(笑)。

「大丈夫かなぁ?って、すぐ思っちゃう自分がいたりとか…。だから、納得出来るお芝居をするようにしよう、って集中してます。今は。じゃないと…色んな邪念で、思うように出来なくなっちゃうと思うし。少しそういう心配な面もありますけど…たまに(笑)。だからこそ、このシーンでこれを言う時は、何かを気遣って言ったりしてるのかな?とか、なんでこの言葉が出たのかな?っていうことを考えたりとかも…します。そこの場面で間違えないように」

その人がセリフを言うに至る、背景とか行間というものを凄く考えるんですね。

「気になりますね。そうやって自分が考えたもの全部が全部、合ってるかはわからないですけど」

でも、そこを想像してから臨みたい。

「はい」

それは、お芝居を始めてから変わらないこと?

「ですね。そうかもしれないです。色んな監督さんとやらせてもらってるからこそ、その人が言ってくれたいい言葉をチョイスして」

どんどん自分に残していって。

「はい。例えば、『!』マークがあるから、強めに言わなきゃいけないって訳でもないし」

悲しいからといって、泣くことが必要な訳でもないし。

「うんうん…そうです。それが凄く難しい。そこに対応していくのに必死です」

逆に『よし!』って思う時はいつなんですか?納得出来る時。

「(ニッコリと)難しいセリフを、バーッ!って言えた時(笑)」

いま、凄くいい顔しましたね(笑)。

 「決まった!って(笑)。でも今回の役も、貿易用語を…山内さん演じる安芸主任に試されるんですけど。そこで、安芸さんに『パーフェクト!』って言われるんですよ。全部言えた、その最後に。なんかそれも気持ちよくて(笑)」

嬉しくて(笑)?

「嬉しい(笑)。ふたりで凄い盛り上がってる、かわいい画なんですけど。そこに課長の一喝が入るんですけどね、『うるさいんだよ、おまえら!』みたいな(笑)」

その山内さんも、コメントで『中島さんの芝居のポテンシャルの高さに驚いている」とおっしゃってましたね。

「本当ですか?嬉しいですね。自分ではどこまでポテンシャルがあるかわからないので…。そういう風に、傍から見て言って下さるのって、やっぱり嬉しい限りですよね。それを信じて、やっていけるなとも思うし」

お芝居のポテンシャルというと…個人的に『刑事バレリーノ』での中島さんが強烈に浮かぶんですけども(笑)。

「ははは!はい(笑)」

あの役が出来るって凄くないか!?と…。

「あれはもう……自分で言うのも変ですけど、アイドルなのに大真面目にバカなことをやってるのが自分でも恥ずかしいけど(笑)、楽しかったです。でも…振り切るまでが大変なんですよ、僕。ノッてきてからはなんでも出来るんだけど、そこに行くまでが凄く時間かかるんで」

それは、恥ずかしさと葛藤しちゃうから?

「そうですね(笑)。ちょっと、やっぱ…恥ずかしいなっていうのがあって。だけど、そこをバーン!と突き抜けた時に、『あ、いいね』『面白い面白い』って言ってもらえて。面白いとか、自分が言ったことに対して誰かが笑ってくれるのって、結構自分の中で嬉しいことなので。あの刑事の時は…そうですね、大真面目にやってましたね(笑)」

素晴らしかったです(笑)。改めてですけど、前回『ピンクとグレー』で登場して頂いて以降の作品としては、新春時代劇『信長燃ゆ』では京都へ通い…。

「はい、時代劇やらせてもらいましたね」

そして、『刑事バレリーノ』があって。そこから更に、映画“僕ごは”を撮影したあとに、今作ですよね。かなり色んな役柄、振り幅の広いお芝居の現場が続いてますね。

「いやぁ~、ほんとありがたいですね」

ということは…連ドラ自体が意外と久しぶりなんですね。

「あぁ、そうですね。『デート~』もスペシャル(15年9月OAの『デート~恋とはどんなものかしら~2015夏 秘湯』)だったし…その連ドラ『デート~』以来ってことですかね」

久々の連ドラの主演、しかも初のゴールデンっていうのはやっぱり最初は聞いた時は嬉しい気持ちとプレッシャーと…。

「そうですね。はい、ありました。喜びと緊張と…なんか複雑な感じ。『自分に出来るかなぁ?』みたいな(苦笑)」

この夏は、アイドルとしても、7月からドラマと並行してJUMPのツアーが始まりますね。

「そうですね。ツアーのスケジュールがあるので、ドラマのほうにご迷惑をおかけしてる部分もあるんですけど…。そのぶん、どっちの場でも頑張りたいですし、この夏をしっかりと一ノ瀬と一緒に生き抜きたいっていう想いもあるし。やっぱりツアーのほうでも、ちゃんとお客さん、ファンのみなさんへの感謝だったりとかしっかり伝えたいなって…。そういう部分では、(コンサートでは)しっかりとお客さんに感謝して“キラキラ”に(笑)。っていう、ふたつのことをしっかりとやり抜きたいと思います。なんか…現場のスタッフさんとかに凄いつっこまれるんですよ。『かなりキラキラしてましたね』とか…それが恥ずかしいんですよね(笑)」

JUMPのライブでは、やっぱりキラキラしてますよね(笑)。

「はははは」

とか…こういう感じが、恥ずかしい?

「恥ずかしい…(笑)。全部が自分なんですけどね。やっぱり、そうやって使い分けてるところを見られると、恥ずかしいんですよ」

面白いですよね。ジャニーズ事務所の人に『お芝居とアイドルと、どう切り替えてるんですか?』と聞くと、『特に切り替えてない』って答える方も多いんですよ。

「へぇ~!なんですかね?JUMPとして求められてるものが、だいぶかわいかったりとか、キラキラが多かったりする…から、なのかなぁ?」

中島さんはアイドルとしても、もちろんキラキラしているんだけど、お芝居をやってる時は「お芝居すっごい好きなんだな、この人」って伝わってくるんですよね。

「あぁ、ほんとですか?」

言葉は悪いですが…決して片手間にはやっていないのが伝わる。

「そうですね。それはしたくないっていうのはあるかもしれないです。だから、そう見て頂けるのかなぁって。いまだに、お芝居は“お邪魔させて頂いてる”っていう気持ちがやっぱり強いので…どうしてもアイドルやってるぶん、『アイドルだから出てるんだろ』とか…」

言わせないようにしたいですもんね。

「そうなんですよね」

お芝居をやりたい、好きだなっていう気持ちは、確実に大きくなっていますよね?

「大きいですね。なんか昨日も、プレゼンのシーン撮っていて。専務役が風間杜夫さんなんですけど、あの方に『君は、プレゼンパートナーに物を売るとしたら、何を売る?』って凄い目で見られた時に、『うっわ…俺、今この人と目が合ってる!』って思っちゃったんですよ。なんか嬉しくて…」

ははは(笑)。

「この人と目が合って、お芝居で対面出来てる!っていうのが、凄く嬉しかったんですよね」

不思議な感覚ですね。一ノ瀬が専務から話しかけられる嬉しさと、役者として大先輩と対峙している喜びと…同時に感じていたのかな。

「うんうん、そうかもしれないですね。一ノ瀬としても、役者としても“凄い人”と対面してる!っていう意識があって、なんか嬉しくて。普段なかなか体験出来ないことだから面白いのかもしれないですね、お芝居って。色んな人になれる、色んな経験が出来るっていうのが凄く楽しいし。楽しくやることを忘れないように、っていうのはいつも思っています」

狂気を感じさせる役みたいなのも、面白そうですね。

「あぁ~やってみたいですね。だから早く『ヒメアノ~ル』観に行きたいなって(笑)」

まだ観てないんですね。あれは…やばいですよ。

「観てないんですよ。超観たい!」

その森田剛さん始め、役者として活躍する先輩が事務所にたくさんいらっしゃって。

「ほんと、そうなんですよね」

色んな中島さんの記事を見させてもらうと、岡田准一という人はある種の目標であると。

「はい、それはあります。とにかく『岡田は凄いから』っていうのは、周りから凄く聞くので。実際、だからこそ築けた地位もあるし、だからこそ出る佇まい、雰囲気というか…なんかドッシリしてるじゃないですか。そういうのって憧れますよね。でもそれって、ある程度年齢を重ねないと、出せない渋みだったりとかもあるから。『いいなぁ、この人の顔のシワ』とか『いいなぁ、髭』とか思ったりするんですけど。頑張っても僕、髭…そんなに生えてこないし(笑)。だからなんか、もう少し年を取った時に、『いい声してるなぁ』とか『いい顔してるなぁ』って言われるような役者さんになりたいんですよね」

そのためには、やっぱりいい年の取り方っていうものを…。

「そう、しないといけないなぁと思って。岡田君は本当にストイックだし、ほんっと敵わないというか…。自分は全然まだまだだなぁって思う。足りてないところがどこなのか?っていうのが、岡田君を見るとわかる気がします」

先輩方それぞれに“色”がある中で、中島君ならではの“何か”、その役者としての“武器”が、どういうものになっていくのか?っていうのは、今後が楽しみですね。

「そうなんですよね。僕はどうすればいいんだろうなぁ?っていう。でも本当に自分は、いい意味でジャニーズ色を消したいなって思ってるので。どんなに不細工に映ろうが、どんなに恥ずかしい格好をしようが……『~バレリーノ』では振り切るまでがちょっと大変でしたけど(笑)。でも、自分がどんな風に映ろうが構わない。『ピンクとグレー』のベッドシーンとかも、やっぱり役者として見て頂けるって意味でも凄くチャレンジだったと思うし。そういうことにチャレンジさせてもらえてる環境に、感謝なので。そういう経験を積み上げつつ、まずはちゃんとしたお芝居が出来るようになって。その上で、自分で考えながら、自分の力で、しっかりやっていきたいなっていう思いはありますね」

 

 

 

+act. 2016.8 

 

必死で掴めば何かが変わる

 14年、韓国で数々の賞を総ナメにして、日本でも放送されるやいなや、空前のヒットとなったドラマ「ミセンー未生ー」。その日本版がこの夏始まる、中島裕翔主演のドラマ「HOPE~期待ゼロの新入社員~」だ。主人公は囲碁一筋に生きてきた他に取り柄がない22歳の一ノ瀬歩。彼は囲碁の道を諦め、母に紹介された総合商社の最終採用試験へ。その内容は1カ月間のインターンシップとして働くことだった…。

 韓流ドラマの王道と言われる恋愛要素を排し、失敗を重ねながらも、初めて社会と向き合う一ノ瀬。学歴社会や人間関係などの葛藤に悩む彼の姿を克明に描く本作は、不条理な社会で、徐々にたくましさを見せる主人公を描いていく。中島はその役にどうアプローチしているのか、話を聞いた。

 

最初に出演のオファーがあった時の思いを教えてください。

「どの作品でもオファーをいただくのは、すごく嬉しいですよね。今回はサラリーマン役ということで初めてではないのですが、がっつり商社自体が舞台になるものなので、新鮮な気持ちで演じています。今回、社会経験の全くない青年が、社会に出て、必死にひたすら闘い抜くという作品なので、そのプレッシャーも大きかったですね。実際、原作のドラマ『ミセン』もハマって観ていたので、そのプレッシャーもありました」

原作をご覧になって、どんなところに魅力を感じましたか。

「主役のチャン・グレを中心にしながらも、他の人たちにフォーカスが合っていくことです。主人公だけではなく、ちゃんと周りの人間のバックボーンも描かれていて。そのリアルなサラリーマンの世界を描いていることにも惹かれました。あと、作中に出てくるキーワードの『共同作業』という言葉も、群像劇を描くうえでぴったり合っていると思いました。つまり“仕事は一人でやるものではない”というメッセージ性が作品にあって、そこに惹かれましたね」

現場も始まっているということですが、どのような雰囲気で進んでいますか。

「まだ序盤ですが、撮影を続けることによって一歩ずつ主人公の歩に近づけていったらいいなと思っています。まず、この作品は一つの社会を描いているわけで、視聴者の方に寄り添いながら、必死にやることに関しては僕も主人公と同じスタンスだよなと思ったんです。とはいえ、野望のように“原作を超える作品を!”とは思っていなくて(笑)。ただ、ひたすら必死にやれば、日本版なりの良さが自然に出るんじゃないのかなと思っています」

実際に演じられて難しいなと感じられたところはどういった部分ですか。

「やっぱり商社ならではの専門用語です。そういうセリフの難しさは感じています。あと、最初に『ミセン』を全部観て、今回の台本を読んだら、原作のキャストが喋っているようにしか想像できなくて、かなり引きずり込まれてしまったんです。なので、いまは原作も尊重しながら、『HOPE』のオリジナリティを出していきたいと思っています。現場では、原作を自分たちらしくどう変えていくか、制作側や僕らの熱い思いで臨んでいます」

原作でもまるで、自分がいち社員になったかのようなリアルな作りですよね。一ノ瀬歩に関しては、どんな人物だと思われていますか。

「彼は22歳まで囲碁しかやっていない男。だけど、いまは夢を諦め、社会人として生きるために会社で奮闘し、新しい夢を見つけていくわけです。ただ、歩は家庭事情もいろいろと複雑な人物なので、シーンによってどこまで暗くして、どこまで明るさを出せばいいのか、そのバランスが意外に難しいポイントです」

原作では、失敗して落ち込み、ギリギリのところでなんとか再起をはかる主人公が描かれていきますね。そのモチベーションはどこから生まれていると思いますか。

「…難しいですね。実際、彼は後ろ向きな気持ちのほうが強いですし(笑)。ただ、そのモチベーションの一歩目は母親からのものだと思うんです。母親が自分の知らないところで、後押ししてくれていたことに気付いて、その思いを受け止め、背負って歩いていこうとする。その後は、家族以外の誰か、つまり会社の仲間たちと一緒に仕事をしていくことが彼の目標になっていく。多分、そうした過程で歩は働く楽しさに気付いていくんだと思います」

ずっと囲碁の世界で生きてきた男というところも彼の中で大きい要素ですよね。

「そうですね。今まで囲碁の世界、一対一の世界で戦ってきた彼は勝っても自分の力、負けても自分の責任の中で生きてきたんです。でも、そういう分かりやすい勝負の世界の垣根を越えて、人と接して、人との共同作業を学び、人と一緒に成功した時の嬉しさを感じていく。だから、母親の思いや周囲の思いが彼の中のモチベーションになっているのかなと思うんです」

ところで、中島さんはモチベーションを維持するためにされていることは?

「やっぱり、好きな音楽を聴くことですかね。そういうことでリフレッシュするのは大事かなと思っています」

本作をどのような作品にしていきたいと思われていますか。

「日曜日の21時の枠でドラマをやらせていただくにあたって、楽しく月曜を迎えられるものを作りたいと思っています。なので、単純に“明日からまた会社で頑張るぞ!”というふうに思ってもらえるものを目指したいんです。実際、働くどの職種でも共感できる部分が多い作品だと思うので、観てくださる方に寄り添いながら、共感できて、働く方を応援できるような作品にできればと思っています」

 

J Movie Magazine 2016 vol.13